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【実施報告】開発教育スキルアップセミナーを各地で開催しました

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2024.03.02

参加型で伝えたい-1枚の写真から授業を作ろう-

1月28日(日)、岡山国際交流センターで開催したスキルアップセミナーには、協力隊経験者だけでなく、JICA教師海外研修に参加されたことのある教員の方など、15名がご参加くださいました。
講師は開発教育のファシリテーターであり、川崎医療福祉大学などで非常勤講師を務める山中信幸先生。最初に山中先生から「参加型ワークショップとはなにか」、「良い問い・悪い問いの立て方とは?」といった講義がありました。参加者は自身がボランティアとして派遣された国、または海外研修として訪問した国で撮影した思い出深い写真を持参しています。講義に続いて、参加者は自身の写真をグループ内で発表し、そこから1枚を選んで、写真を元に授業案を作成していきました。わずかな時間で参加型の授業を考えるのは、普段は民間企業などで働く協力隊経験者はもちろん、授業づくりのプロである先生方にとっても難しいミッションでしたが、参加者からは「実際に教材を作るところまで出来たので、実践的ですぐ現場に役立つ研修だった」、「今までどう自分の経験を伝えるか悩んでいたが、経験を伝えるというよりも、児童生徒自身に気づきがあるように問いを工夫する、というシンプルだが大切な方法を知った。国際教育へのハードルが少し下がった」などの感想が上がり、多くの学びがあったようでした。

持参した写真をグループ内で共有

授業をつくる写真を選びます

授業案の発表

協力隊の体験談、また聞きたい!と言われたい

2月21日(水)のスキルアップセミナーは、対象をJICA海外協力隊経験者に限定し、19時からオンラインで行いました。現地での活動や体験を効果的に伝えるにはどうしたらよいか、聞く人を惹きつける話し方・考え方を学びました。講師は、特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会フェロー、法政大学兼任講師などを務める鈴木まり子さん。能登の震災支援にも携わる多忙な中でご参加くださいました。
グループでは、各自が抱く出前講座やプレゼンテーションでの課題、悩みを共有し、それを鈴木先生に質問していきました。どんな質問にも具体的に分かりやすくコメントを下さる中で、これまで良いと信じて行ってきたリアクションや問いかけが、実は学校の子どもたちにとってベストな方法ではないこと、教室全体を巻き込むために行ってきた工夫がむしろ児童生徒にとって緊張感を与えてしまうことなど、目からウロコの気づきや発見がたくさんありました。
参加者からは「意識してなかった視点を知ることができました。主役は生徒、を忘れないようにしたい」、「自分以外の参加者の質問が聞けたり、その回答を聞くことで自身も大変勉強になった」、「ご自身の体験や授業での取り組みなど、事例が豊富で実感しながら勉強できて楽しかった!」といった声がありました。

途上国と日本をつなぎたい-体験を教育現場で生かすには?-

3月2日(土)、広島市内のJICA中国サテライトオフィスには、協力隊経験者4名と過去に教師海外研修に参加した先生4名の計8名が集まって下さいました。ここで講師を務めてくださったのは、広島県三原市の小学校教諭であり、探究的な学習の在り方に関する研究推進地域事業における三原市の研究推進リーダーでもある田中涼子先生。田中先生は、2010年に教師海外研修に参加され、「現地の人と同じ目線で活動したい」という思いを強くし、2012年に現職教員特別参加制度(当時)で協力隊としてカンボジアに派遣されました。

現在の学校現場は、行事や授業で先生も子どもたちも日々とても忙しく、海外に思いをはせる時間を確保することはとても難しくなっています。そのような環境で、開発途上国での体験をどう発信していくか、帰国して10年近く経つ今もカンボジアでの知見を取り入れた授業を展開する田中先生から、模擬授業を通してそのポイントやコツを共有してもらいました。後半は、日々抱えている課題・悩みからこれからやってみたいことまで、参加者同士でざっくばらんに話す交流会を行いました。

協力隊経験者も教師海外研修参加者も、参加したプログラムや職業・立場こそ違いますが、現地での貴重な体験を多くの方に聞いてほしい、それが地域の人や子どもたちが多様な社会を考えるきっかけになれば、という共通の願いを持っています。JICA中国はこれからも、このような地域の「仲間」たちとともに、世界と地域をつなぐお手伝いをしていきます。

田中先生の体験を聞く

カンボジアの体験が盛り込まれたSDGsの授業

交流会も盛り上がりました!

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