Future Leaders ~JICA留学生をご紹介!~(インドネシア出身のアユさん)

研修コース名:イノベーティブ・アジア2021年度・第5バッチ・大阪大学工学研究科(博士課程)(※1)
研修期間:2021年10月1日から2025年3月31日まで

~自己紹介をお願いします!

私はインドネシアのスラバヤ工科大学で機械工学の大学講師をしていましたが、2021年10月から大阪大学の工学研究科の博士課程に進むことを決めました。文部科学省の国費留学制度と連携したJICAのイノベーティブ・アジアに 参加することになったのですが、JICAは学業だけでなく、学業以外の面でも様々な経験を積むことを奨励してくれるので、JICAのプログラムで来日できたことを大変嬉しく思っています。

~アユさんの研究内容と将来の展望をお聞かせください!

現在、私は博士課程3年生で、大阪大学太陽エネルギー化学研究センターで研究をしています。私の研究は、機械学習を用いた電気化学的還元によって、CO2をより価値のある製品に変換することに焦点を当てています。大気中のCO2濃度の蓄積は、気候変動関連の問題に深刻な影響を与えています。パリ協定で目指しているように、世界の平均気温の上昇を抑えるためには、CO2の排出量を抑える必要があります。そのため、インドネシアを含む国々は、温室効果ガスの排出削減に積極的に貢献しなければなりません。インドネシアは主要エネルギー源に石炭を使用する世界第9位のCO2排出国です。インドネシアは2060年までにネットゼロ排出(※2)を約束していますが、今すぐにでも行動しないといけないと感じています。クリーンエネルギー技術の革新は、ネット・ゼロ排出に向けた戦略のひとつで、私の現在の研究は、CO2をより価値のある化学物質(エタノール)に変換する戦略と関連しています。というのも、2020年、インドネシア政府はエタノール混合燃料を運輸部門に導入することを決定しているからです。2060年のネット・ゼロ排出の目標に、人工知能の一部である機械学習の研究を通じて、貢献できることを願っています。


~なぜ日本で学びたいと思ったのですか?

台湾の大学(修士課程)に留学していた2014年、サマースクールのプログラムで日本を訪れました。徳島に3週間滞在したのですが、公共の場でもトイレがとてもきれいで驚きました。日本のトイレはとても清潔で快適だなと感じました。私は、「本当に小さなこと(トイレ)を気にかける日本であれば、、もっと大きなこと(教育やテクノロジー)に気にかけるようになるだろう」と思ったのです。そういった経緯もあり、私は日本で博士課程に進学することを決めました。私は日本人の性格、平和、清潔さ、規律正しさ、正直さ、細やかさなど、多くの良い面のあるところが好きです。将来のより良い生活のために、日本に滞在している間、最高の経験を積んでいきたいと思っています。日本、文部科学省、JICA、ありがとうございます。

※1:JICAの留学プログラム「イノベーティブ・アジア」(アジアの開発途上国等の優秀な理系人材が日本の企業等で就労してイノベーションの促進に貢献することに加え、いずれは自国の産業発展を担う中核人材ともなるような人材育成を目指す。)
※2:温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとり、正味の排出量をゼロにすることを意味する。

関連リンク