研修の学びを自国でどう活かすか(オンライン アクションプラン発表)

2024.02.19

2月1日(木)、2日(金)に課題別研修「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)(A)(B)」の研修最終日となるアクションプラン発表をオンラインで実施しました。

アクションプランの実現可能性がさらに高まりました

 JICA研修では、研修の最後にアクションプラン(研修で学んだことをどのように業務に活かしていくか、どのように課題を解決していくか)の発表を行いますが、今回は帰国後にオンラインでのアクションプラン発表を行いました。
 この研修ではオンラインのアクションプラン発表は初の試みです。  
 アクションプランの作成を帰国後に行ったことで、研修員たちがそれまでの研修内容を振り返り、自身の所属先と研修内容を共有し、所属先の意見なども反映してアクションプランを作成することができました。これにより、来日研修で作成するアクションプランと比べて、より現地の課題やニーズに沿ったアクションプランとなりました。
 また、JICAでは「投資促進アドバイザー」として現地に専門家を派遣している国があり、それらの国では専門家が研修員のアクションプラン作成をサポートし、現実的・実現性のあるアクションプランになるようアドバイスして作成を進めました。

オンラインでのアクションプラン発表の様子

研修員が作成したアクションプランの一部(ザンビア)

PDCAサイクルを用いて将来の行動計画を立て、アクションプランを策定していきます。

ガーナ研修員は、ビジネス環境における信用や透明性を高める方法についてアクションプランを作成しました。
投資家に対して、要項や手続きなどについて変更点が生じた時には適切に公表する、といったことなどが盛り込まれています。

スリランカ研修員は、海外直接投資(FDI)の促進に関するアクションプランを作成しました。
円滑な投資に向けて、投資や経済安全保障に関する法整備や経済連携協定の導入など、具体的な計画を立てています。

アクションプラン発表には世界から参加!

 帰国後約2カ月が経った2月1日(木)に「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)」Aコースの発表、2月2日(金)に帰国後2週間のBコースが発表を行い、両日とも多くの研修関係者(研修員の同僚なども含め)が研修員の発表を視聴しました。参加者の幅が通常よりも広がったことが、オンラインならでは一番のメリットと感じました。

 発表後の質疑応答では沢山の質問が寄せられ、アクションプラン実現へ向けた具体的な質問も飛び交いました。アクションプランに対して多くのコメントやフィードバックを受けた研修員は、真剣な様子でコメントをノートに書き留め、今後のアクションプラン実行に向けた意欲を更に高めている様子でした。
 全ての発表が終了した後はグループに分かれてディスカッションを行い、中には共通の課題があることを認識し、これから協力していこうと話す研修員もいました。プログラムの最後にはそれぞれが別れを惜しむ場面もあり、長期間の研修を通して、国や所属の壁を越えて絆を深められていたことを改めて感じました。
 最後に研修の日本側コースリーダーから「これが本当に最後のプログラム。でも、皆さんのアクションプランは始まったばかり。研修は今日で終わるが、研修員同士の友情や、我々日本側と皆さんの国とのつながりを、これからも続けていきましょう。」と研修員にメッセージがあり、研修員も大きくうなずいていました。

研修最終日となるアクションプラン発表での集合写真(Aコース)

(Bコース)

約3か月にもおよぶハイブリッド研修が終了!

 課題別研修「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)(A)(B)」は、来日前の遠隔研修、来日研修、帰国後の遠隔研修と3段階に分けて実施することで、自国の課題を整理し認識したうえで、日本におけるビジネス環境整備に関する講義や視察に参加することができ、効果的に研修を実施することができました。今回のように、事前にオンラインで講義を実施したことで、来日研修では視察やセミナー準備および発表を集中的に実施することができました。また、帰国して時間を置いてからアクションプラン発表としたことで、所属組織や専門家等と「研修で学んだことをどう活かしていくか」について協議する余裕ができ、より実現可能性・完成度が高いアクションプランを策定することができました。
 ハイブリッドを活用した研修は国により通信状況などの課題もありますが、研修にうまく取り入れることで、より効果的な研修の実施ができると考えています。

 Aコースは2023年10月30日、Bコースは12月7日がそれぞれ遠隔研修の初日でした。トータルで約3か月にわたる課題別研修「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)(A)(B)」が、今回のアクションプラン発表をもって終了いたしました。
 本研修で講義や視察をお受けいただいた皆様、セミナーにご参加いただいた皆様、そして長期間にわたり研修員に常に寄り添い、時に辛抱強く、またいつも熱心にご指導いただいた(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツの皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

 そして、研修員の皆様も長期間の研修、本当にお疲れ様でした。この研修が皆様の国の今後の発展の一助になることを願っています!

来日研修最後となる修了式での集合写真。研修員の皆さん、本当にお疲れ様でした!(Aコース)

(Bコース)

◆課題別研修「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)」
◇(A)ボツワナ、エチオピア、ガーナ、マラウイ、ナイジェリア、ザンビア、セルビア
事前研修(オンライン)2023年10月30日(月)~2023年11月10日(金)
来日研修       2023年11月26日(日)~2023年12月7日(木)
投資促進セミナー※  2023年12月5日(火)
事後研修(オンライン)2024年1月30日(火)、2024年2月1日(木)

◇(B)バングラデシュ、フィリピン、カザフスタン、ネパール、スリランカ、ウズベキスタン
事前研修(オンライン)2023年12月7日(木)~2023年12月15日(金)
来日研修       2024年1月9日(日)~2024年1月20日(土)
投資促進セミナー※  2024年1月18日(木)
事後研修(オンライン)2024年1月30日(火)、2024年2月2日(金)

※海外進出に関心のある日本企業や経営者向けに研修員が自国の投資やビジネス環境を紹介し、投資誘致に繋げるための実習の一環として都内で実施したもの。

◆関連リンク:
◇JICA MAGAZINE 2月号(THE研修)「研修を通じた共創のカタチ④ハイブリッド型研修」
70年続く研修事業で パートナー国とともに学ぶ|JICA MAGAZINE | 広報誌 JICAマガジン

◇Aコース「投資促進セミナー」開催報告/セルビア研修員の声
アフリカ・南ヨーロッパの行政官等による「ビジネス・海外進出セミナー」開催! | 日本での取り組み - JICA

◇Bコース「投資促進セミナー」開催報告/都内スカイツリー見学
アジア6か国の行政官による「ビジネスチャンス説明会」開催! | 日本での取り組み - JICA

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