教師海外研修 授業実践レポート③ 大田区立矢口東小学校
2024.11.15
教師海外研修は、教員の方々が実際に開発途上国を訪問することにより、途上国が置かれている現状や国際協力の現場、途上国と日本との関係に対する理解を深め、帰国後は学校現場での授業実践等を通じて、児童生徒の教育に役立てていただくことを目的として毎年実施しています。
今年はJICA東京・JICA北陸の合同開催。1都7県(東京・埼玉・千葉・群馬・新潟・長野・福井・富山)から地域・校種・教科の異なる21名の先生達が、パラグアイ(7/26~8/10)、バングラデシュ(国内代替プログラムに変更、8/9~8/11)のコースに分かれて参加しました。
教師海外研修について詳しくは
コチラ
9月からは、それぞれが学んだことを児童生徒に還元すべく、続々と授業実践が始まっています。
今回は、パラグアイを訪問した大田区立矢口東小学校の蓮尾志津加先生の授業実践をレポートします!
蓮尾先生が担任を務めるのは、元気いっぱいの2年1組。全10時間の単元のうち、最初の2時間で日本と外国のイメージを話したり、パラグアイの写真を見て気づいたこと、もっと知りたいことを話したりしました。第3時となる今回は、前の時間で出た「人気のスポーツは何だろう?」「どんなものが有名なのかな?」といった子ども達の質問を、クイズ形式にして考えてもらう時間でした。
子ども達は1問ごとクイズの正解に大興奮!「日本のアニメがパラグアイでこんなに人気があるなんて知りませんでした」「お茶(マテ茶)を回し飲みするのを始めて知りました」「ほかにはどんな食べ物があるのだろう?」など、たくさん感想が出ていて、楽しみながらも、パラグアイのことをもっと知る時間になりました。
この単元の後半戦は、パラグアイ以外の国(中国・ネパール)へと展開していく予定とのことです。色々な国と壁を作るのではなく、興味をもって共生していく態度を育てていきたいという先生の思いが、子ども達にどんな種をまいていくか楽しみです!
パラグアイの国旗を説明。裏表でデザインが違うことにびっくり!
マテ茶の茶葉をもらったよ。どんなにおいがするんだろう…
教師が一方的に他国の紹介をするのではなく、子どもたちの「気づき」や「問い」を大切にして授業をしたいと考えました。子どもたちの授業後の感想より、他国の文化を知るおもしろさ・他国の文化を知ることで、自分の国の文化を考えるきっかけになっていた児童が多くいて、嬉しく感じました。今後も、子どもたちの声を生かした授業やクラスづくりを通して、「共生」できる子どもたちを育てられるよう研鑽を積んでいきたいです。 蓮尾 志津加
本校は、日本の玄関である羽田空港が車で一時間かからないところにある学校です。子どもたちは、賑わいのある近くの商店街を地域の一つとして過ごしています。また、大田区全体で外国の方が大勢生活をしている街でもあります。今回、大変貴重な機会をいただき、本校の蓮尾が授業実践をさせていただきました。自然を愛し、その中で子どもたちの成長を願う本人としては、現地での視察を活かした授業を通して子どもたちに貢献できたと思います。
また、これからの未来で生きる子どもたちに、大変重要な国際理解教育の場を与えていただき感謝申し上げます。
雨笠校長先生(左)、蓮尾先生(右)
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