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「長期研修員の素顔と魅力③~」

2025.12.10

JICA東京では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れております。インターン生による、開発途上国からの留学生へのインタビュー記事をご紹介いたします。

インタビューアー:橋本凛花(立教大学)

長期研修員の紹介:Mr. HADEBE Mondliwethu Alphonse(立教大学)

JICAとの出会い

ジンバブエ出身のハデベ氏がJICA長期研修プログラムを知ったのは、まさに偶然でした。応募前はJICAの存在を知らなかったそうですが、ジンバブエ国際見本市に友人と訪れた際、JICAのブースで、長期研修プログラムを知りました。「新しいことに挑戦したい」という強い思いから、このチャンスを逃さず応募を決意しました。現在、彼は立教大学で国際経営を専攻。世界各国の市場に焦点を当て、企業の海外進出に影響する要因や、異文化間ビジネスにおける文化的側面について深く学んでいます。この知識を自国に持ち帰りジンバブエの技術向上に貢献することを目指しています。

立教大学のキャンパス内の一枚

教育スタイルの違い~議論中心と講義中心~

日本での生活を通じて、ハデベ氏は母国ジンバブエとの教育スタイルの違いを強く実感しています。ジンバブエでは、学生が主体となる議論型授業が一般的で、チームワークと積極的な参加が重視されます。一方、日本では教授主導の講義形式が中心で、学生が発言をしなくても授業が進むスタイルが特徴的です。さらに、教育制度の構造にも大きな違いがあります。
・日本:小学校6年・中学校3年・高校3年の「6・3・3制」
・ジンバブエ:イギリス式を採用し、小学校7年・中等教育4年・上級中等教育2年の「7・4・2制」
こうした違いを体験することで、ハデベ氏は教育の多様性と、それぞれの文化が育む学びの価値を深く理解しています。

日本で感じた壁

大学生活を楽しみながら、ラグビーの練習にも積極的に参加しているそうです。しかし、日本人学生とのコミュニケーションは課題の一つです。ジンバブエには16の公用語があり、ハデベ氏自身も6~7言語を話せるため、母国ではコミュニケーションに困ることはありませんでした。ところが、日本では英語を話せる人が少なく、言葉の壁に苦労していると言います。さらに、生活習慣の違いにも驚きがありました。ジンバブエの公共バスは乗客が大声で会話し、とても賑やか。一方、日本の交通機関では静かで、最初は慣れるのに時間がかかったそうです。

ジンバブエの通勤用バス 

長距離移動用バス

医療機器技術をジンバブエへ

医療機器会社に勤務していた経験から、日本製品の耐久性に感銘を受けました。特に、「手術後の器具を洗浄する減菌装置(オートクレーブ)」の高度な技術です。「この技術を学び、自国に持ち帰りたい」その思いが、彼の学びを支えています。卒業後の目標は、アフリカに進出している日本企業で働くこと。日本で培った国際ビジネスの知識と、将来的に導入したい医療技術を結び付け、日本とジンバブエの架け橋となることを目指しています。

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