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【高専生からのレポート】共創プロジェクト~KOSEN KYORYOKUTAI inモンゴル~その1~

2026.01.15

JICAでは、NGO、大学、民間企業、公的機関など多様なアクターとの「共創」により、社会課題を解決する取り組みを推進しています。JICA東京ではこの取り組みの一環として、高等専門学校(高専)とJICA海外協力隊との共創プロジェクトを実施しています。

第一弾 マレーシア編はこちらをご覧ください。
【高専生からのレポート】共創プロジェクト~KOSEN KYORYOKUTAI~ | 日本国内での取り組み - JICA


前回のマレーシア編に続き、第二弾となる今回のプロジェクトの舞台はモンゴル。
長岡高専の5年生の学生達がモンゴルで活動中のJICA海外協力隊の活動に参加しました。

モンゴル編では、協力隊の職種別に参加学生からの現地レポートを3部作でお届します。是非シリーズでご覧ください!

(写真)長岡高専の参加者の皆さん

KOSEN KYORYOKUTAIとは

このプロジェクトは、海外研修や留学に参加する高専生が、その一部の期間にJICA海外協力隊の活動に参加することで、グローバルエンジニアに必要な国際的な視野を養い、グローバルな課題への意識を高めることを目的としています。高専生にとっては、関心のあるテーマに関連する世界の課題や、それらの解決に向けて世界各地で行われている活動を体験する機会となり、JICAにとっては将来の国際協力人材の育成につながる事業です。

モンゴル編~その1~では、幼児教育と歯科衛生士の海外協力隊の活動に密着した、長岡高専5年生の姫路さん、佐藤さんの活動レポートをお届けします。



【高専生からのレポート】モンゴルのJICA海外協力隊への密着活動

【活動1日目(幼児教育の隊員へ密着)】

(姫路さん)

1日目は、ウランバートル市内の幼稚園に行き、幼児教育の隊員の活動に参加させていただきました。幼稚園では先生方と同じく登園時間から、子ども達の活動に一緒に加わりました。園には100人以上の子ども達が在籍しており、とてもにぎやかな雰囲気でした。言葉が通じない場面も多かったのですが、私はジェスチャーやボディランゲージを使って積極的に子どもたちと関わるようにしました。最初は子ども達も少し緊張していましたが、笑顔で接するうちに段々と心を開いてくれて、遊びや制作活動を通して楽しい時間を過ごすことができました。

幼稚園では、日本のように歌や体育、音楽の授業など体を使った学びが多く見られました。また、絵を描いたり、押し花の飾りを作ったりする想像力を育てる活動もありました。印象的だったのは、保護者が交代で先生の手伝いをしていたことです。日本ではあまり見られない光景で、地域や家庭が協力して教育に関わる姿勢がとても素晴らしいと感じました。教え方自体は日本と似ていましたが、先生方はしつけの面でははっきりと「ダメなものはダメ」と伝えるなど、厳しさの中にも温かさを感じる教育方針が印象に残りました。

体育の授業の様子

幼稚園での自由遊び時間の様子

園児達へ手洗いの重要性をプレゼンした様子

【活動2日目(歯科衛生士の隊員へ密着)】

(佐藤さん)

2日目は、ウランバートル市内の保健センターを訪問し、歯科衛生士として活躍活動する隊員の活動を見学しました。モンゴルでは医療機器や器具が十分に整っていない施設も多く見られましたが、隊員の方が、限られた環境の中でも患者一人ひとりに丁寧に向き合い、予防や衛生指導に力を入れている姿が印象的でした。

特に、隊員活動では、口腔ケアの啓発活動に力を入れており、子どもや地域住民に対して歯磨きの正しい方法や健康維持の大切さを伝える様子を見て、「技術の提供だけでなく、理解を深めてもらうための教育が医療の根幹にある」と感じました。また、現地の歯科衛生士の方が「教育と医療はつながっている」と話していたのが印象的で、人々の健康や暮らしを支えるには、単に知識を伝えるだけでなく、それを“自分ごと”として学んでもらう工夫が必要だと気づきました。

ゲル地区の幼稚園内にある歯の治療室

隊員と一緒に利用者への配布物を作成

日本に親しみを持ってもらう為、長岡にまつわる言葉を待合室に飾りました。

隊員活動への密着を通じての学びと気づき

(姫路さん)
2日間を通して、子ども達や先生方とたくさん関わることができ、モンゴルと日本の教育や文化の違いを肌で感じることができました。言葉が通じなくても、心で通じ合うことができるという体験は、私にとって大きな学びとなりました。今回の経験を通じて、将来は国や文化の違いを超えて多くの人と関わり、子どもたちの成長を支えられるような仕事をしていきたいと強く思いました。

また、日本の技術や知識を海外でどのように活用できるかを考える中で、単に技術を伝えるだけでなく、現地の環境や文化に合わせて柔軟に対応する姿勢の大切さを学びました。日本を離れ、異なる価値観や考え方に触れることで、自分たちの研究に対する視野が大きく広がりました。このような経験を通して、新しい発見を重ね現地の人々とともに成長できることこそが、海外協力隊活動の大きな魅力であり強みであると実感しました。


(佐藤さん)
モンゴルで印象に残った社会課題は、子どもの虫歯の多さでした。現地の幼稚園や学校を訪れた際、多くの子どもたちが歯の痛みを訴えたり、虫歯を放置していたりする姿を見て、日本との健康意識の差を強く感じました。原因としては、甘いお菓子や飲料を摂取する習慣がある一方で、正しい歯磨きの方法や予防意識が十分に広まっていないこと、また歯科医院の数が限られていることが挙げられます。

その中で、協力隊の方は子ども達に対して、歯磨きの正しい仕方を実演したり、口の中の健康が全身の健康につながることを分かりやすく説明したりしていました。単に歯の治療を行うのではなく、教育を通じて子どもたち自身が「自分の健康を守る力」を育てることを目指しており、その姿勢に深く共感しました。この取り組みを見て、技術や知識を一方的に与えるだけでなく、現地の人々と一緒に課題解決を進めることの大切さを学びました。今後は、自分の研究分野でもこうした“自立を支える技術”を意識し、誰かの生活に寄り添う開発を目指したいと感じました。

プログラムに参加した所感・今後に向けて

(姫路さん)
この2日間、現地で貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。自分たちの知らなかった分野について学ぶことができ、視野が大きく広がりました。現地の方々や他校の学生との交流を通して、多様な価値観に触れられたことも大きな刺激になりました。今後は、国際的な視野を持ち、さまざまな立場の人と協働しながら新しいことに挑戦していきたいです。また、今回の経験を通じて、技術を単に伝えるだけでなく、現地の課題や文化を理解した上で適用・発展させる視点の重要性を学びました。将来的には、日本の建設技術や技能を海外でも活かし、同等の技術レベルへと発展させていけるようなエンジニアを目指していきたいと思います。


(佐藤さん)
今回のモンゴルでの活動を通して、異なる文化や生活環境の中で現地の人々と直接関わりながら学ぶことの楽しさを実感しました。最初は言葉の壁や生活習慣の違いに戸惑うこともありましたが、交流を重ねるうちに笑顔や身振りでも気持ちが伝わることに気づき、人とのつながりの温かさを強く感じました。特に、子どもたちの素直な反応や現地の先生方の前向きな姿勢に触れ、「自分も誰かの役に立てる活動をしてみたい」と思うようになりました。また、モンゴルでは医療や教育の分野でまだ十分に整っていない部分があり、支援を必要としている人々が多い現状を知りました。JICA 海外協力隊の方々が、現地の人々と協力しながら課題解決に取り組む姿を間近で見て、自分も将来はその一員として活動してみたいという気持ちが強くなりました。

今回の経験は、異なる環境で自分の技術や考えをどう生かせるかを考えるきっかけにもなりました。今後は、自分の専門分野をさらに深め、国際協力の現場で役立てられる力を身につけたいです。そしていつか、自分の手で「誰かの暮らしをより良くする支援」を実現したいと思います。





佐藤さん、姫路さん想いのこもった素敵なレポート、ありがとうございます。

次回の「モンゴル編~その2~」では、機械工学・日本語教育・作業療法士隊員との活動報告をお届します
是非、お楽しみに!


モンゴルでの活動の様子をもっと知りたい方は、JICA東京のInstagramにて動画で紹介しています。こちらも是非ご覧ください!

参照リンク:JICA東京instagram

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