「長期研修員の素顔と魅力⑪~」
2026.02.06
JICA長期研修課では、2025年度JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れています。本記事では、インターン生による開発途上国からの留学生へのインタビューをご紹介します。
インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)
今回は、ケニア出身で国際大学に在学中のNAMAYI Felex Osmondさん(以下、ナマイさん)にインタビューしました。ナマイさんは、ケニアにあるストラスモア大学(Strathmore University)に勤務し、大学運営に関わる実務や学生対応など、教育分野の現場を支え続けてきました。今回はナマイさんに日本での暮らしや学業、将来の展望についてお話を伺いました。
ナマイさんは「国の発展に貢献したい」という真っ直ぐな思いを原動力にJICA長期研修へ応募したそうです。
日本の高度な教育と実践的な開発知識を学び、それを通して、持続可能な開発課題への知見を得たいと考えているようです。また、日本の発展の歴史と社会システムの学習を通して、自国の政策へ応用したいと話していました。
インタビューの中では、日本が「学ぶ国」として尊敬されていること、そしてその教育に触れることで自国に役立つ視点を得たいと語っていました。
ナマイさんの研究は、水資源の持続的な利用が課題となるケニアで、「社会の中で『他者の行動』が水の使い方に影響を与え得るか」について試験的に検証することだそうです。
他の人が節水していると知ると、自分も節水しやすくなる。こうした「社会規範」の力は、コストをかけずに行動変容を促す可能性がある、とナマイさんは考えています。
「アフリカでは水や環境管理の取り組みが十分でない場合も多いため、人々の行動を変える新しいアプローチを探りたい」と意欲的に語ってくれました。
来日当初は、文化・気候・言語などさまざまな違いに戸惑ったといいます。
特に雪の多い新潟の冬は外に出ることも大変だったそうです。また、誰とでも話す文化があるケニア人に比べて、日本人は静かで個人主義的なところがあり、最初はとても驚いたといいます。しかし、来日してから1年半たった今では自炊に挑戦したり、JICAが提供するスタディツアーや交流イベントに参加したりするなど、活動の幅を広げているそうです。さらにインタビュー内ではラーメンやカレー、弁当など日本食への愛を語ってくれました。日本語もJICAのオンラインクラスから始め、日々ショッピングモールやレストランでの実践を重ねて前向きに学習しているそうです。
初詣で神社を訪れたナマイさん
諏訪湖を訪れたナマイさん
大学での学びに加えて、千葉県の企業のインターンシップに参加して、アフリカ市場への展開を目指す企業のために、ケニアをはじめとしたアフリカ各国のプラスチック製品の規制調査や、貿易・マーケティングに関する法制度の分析、現場での製造工程見学といった実務に関わったそうです。企業が海外へ進出するためには何が必要かを現場で学ぶことができ、とても貴重な経験になったと語ってくれました。
帰国後は大学で教員として働き、若い世代を育てることに従事するほか、研究者として公共政策・環境分野に貢献して、将来的には博士課程にも進学したいと語ってくれました。
「若者の教育が国の未来をつくる。研究と教育の両方を通してケニアの発展に貢献したい」と力強く語ってくれました。
インタビューを通じて感じたのは、ナマイさんの柔和で親しみやすい人柄です。気さくに笑いながら話し、時にユーモアを交えつつも、ひとつひとつの質問に真摯に答えてくれる姿が印象的でした。帰国までに大好きなラーメンを食べるために、博多への旅行も計画中とのことです。
残りの日本での生活も多くの学びと経験で満たし、母国ケニアの教育や研究の発展に還元してほしいと願っています。
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