「長期研修員の素顔と魅力⑬~」
2026.03.03
2026.03.03
JICA東京センター長期研修課では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れています。本記事では、インターン生による開発途上国からの留学生へのインタビューをご紹介します。
インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)
インターン中の五味さん
今回は、ザンビア出身で立教大学に在学中のBwalya Malamaさん(以下、ビーさん)にインタビューしました。ビーさんは、ザンビアのEconomics Association of Zambia(経済協会)でプログラム担当官として、経済政策や開発政策の調査・分析を行う仕事に携わっていました。今回はビーさんに日本での暮らしや学業、将来の展望についてお話を伺いました。
ビーさんがJICA長期研修に応募した背景には、以前から関心があった日本の経営手法や組織文化を学び、新たな視点を得たいという思いがありました。その上で、JICAザンビア事務所からの研修情報を勤務先を通じて入手し、応募の機会が巡ってきました。
ビーさんの研究テーマは、「Youth Employment in Zambia(ザンビアの若者雇用)」です。
ザンビア政府は若者の職業訓練を支援する「Skills Bursary(スキル奨学金)」制度を実施しています。ビーさんは この制度が本当に若者の就職につながっているのか、あるいは自ら事業を始める力になっているのかについて研究しています。
日本での生活の最初の壁は、言語の違いでした。来日直後はまだSIMカードがなく、Google Mapも翻訳アプリも使えず、道に迷っても周囲に助けを求められず、本当に困ったことが多かったです。
その後、JICAの日本語クラスに参加したことで、ひらがなやカタカナが読めるようになり、少しずつ日本での生活に慣れていきました。食文化にはすぐに馴染んだようで、特にラーメンや餃子、そしてカツ丼・親子丼が大のお気に入りです。インタビュー中に親子丼の「親=鶏、子=卵」という意味が分かると、とても驚きました。
旅行の話題となると、大阪、名古屋、鈴鹿サーキット、新潟などの楽しい思い出があります。特にF1が好きで、鈴鹿での観戦は忘れられない体験でした。新潟県では錦鯉の里やSUWADA社の工場を訪れ、産業と文化が結びつく日本の地域性にも強い興味を持ちました。
JICAの文化交流イベントにも積極的に参加しており、新潟での茶道体験はとても印象的でした。主人と客の関係性、和菓子のいただき方、抹茶の点て方など、日本文化の奥深さに触れた瞬間だったと語っていました。
また、大学では日本人教授だけでなく、アメリカ・オーストラリアなど多国籍の教授の授業を受けることができ、多様な価値観に触れられる環境が非常に刺激的です。
将来は、サステナブルなビジネス開発分野で働きたいです。
ザンビアでは若者の雇用創出が大きな課題になっており、日本で学んだマネジメントの考え方や効率的な働き方を自国のビジネスや政策に活かしたいです。
また、大学で教える仕事にも興味があり、若者たちに知識や経験を伝えるために、いずれは 博士号(Ph.D.)の取得にも挑戦したいです。
インタビューを通して感じたのは、異国での生活を前向きに楽しみながら、どんな経験も「学び」に変えていこうとする熱意ある姿勢でした。文化の違いに戸惑う場面があっても、日本語学習や茶道体験、旅行、大学での授業など、一つひとつを自分の力にしていこうとする姿がとても印象的でした。日本での経験が、今後ザンビアで若者支援やビジネス開発に挑むビーさんの確かな原動力になっていくはずだと強く感じました。