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「長期研修員の素顔と魅力⑭~」

2026.03.06

JICA東京センター長期研修課では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れています。本記事では、インターン生による開発途上国からの留学生へのインタビューをご紹介します。

インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)

インターン中の五味さん

JICA長期研修員の紹介:Mr. AUKLEYA Walter Greamah(東洋大学)

今回は、パプアニューギニア出身で東洋大学博士課程に在籍する AUKLEYA Walter Greamah さん(以下、ウォルターさん) にインタビューしました。パプアニューギニアで廃棄物管理の専門職として働き、環境汚染の軽減と持続可能な社会づくりに情熱を注いできたウォルターさんに、日本での学びや研究、そして未来への展望についてお話を伺いました。

1 JICA長期研修との出会い

ウォルターさんがJICA研修に応募した理由は、「自国の廃棄物管理を根本から改善したい」という強い思いからでした。パプアニューギニアでは、地方政府の廃棄物管理担当官として勤務し、JICAの廃棄物管理改善支援プロジェクトであるJ-PRISM に関わる中で、日本の技術力や環境政策の成果を目にする機会がありました。特に、「福岡方式」という廃棄物処理技術を取り入れた自国の埋立地運営に携わり、より高度な設計・管理手法を学ぶ必要性を実感しました。
また、日本の廃棄物対策が、長年の公害問題を乗り越えて発展してきた歴史を知り、日本の技術を参考にして、自国の環境問題のより実践的な解決策が提案できると考え、JICA長期研修への応募を決意しました。

2 研究内容 ー「埋立地の環境負荷を減らす仕組み」を探求するー

ウォルターさんの研究テーマは、「浸出水の再循環と蒸散を通じた埋立地の排出削減」です。
パプアニューギニアの首都ポートモレスビーのバルニ埋立地を対象に、浸出水(廃棄物から発生する汚水)の発生量・流動をシミュレーションし、化学薬品を使わず、低コストで環境負荷を減らせる「福岡方式」について研究しています。埋立地の汚染を最小化するための設計方法や管理手法を整理し、途上国でも持続可能な廃棄物管理を実現できるような仕組みづくりに挑戦しています。

3 二度の来日で感じた日本の日常と新しい発見

ウォルターさんにとって今回の留学は2回目の日本滞在で、大きなカルチャーショックはなかったものの、多くの気づきがありました。特に印象的だったのは、日本人の人柄や治安の良さ、多様な食文化(特にツナマヨおにぎりです。満員電車は今でも慣れないものの、休日には高尾山や沖縄、福岡などを訪れ、日本の景色や文化を存分に楽しんでいます。雪を見たのは日本が初めてで、とても新鮮でした。

4 多文化環境で広がる学び

東洋大学では、国際色豊かな環境の中で学びを深めています。研究室のゼミでは、積極的な議論が交わされ、研究の進捗を共有し合う時間が特に刺激的です。また、JICA東京の週末のプログラムにも積極的に参加しており、文化交流や地域訪問などを通して、さらに視野を広げる時間となっています。

5 日本の経験を自国へ ー廃棄物管理の未来をつくるー

修了後はパプアニューギニアに戻り、廃棄物管理の専門職に復帰する予定です。研究で得た知識を現場に還元し、「汚染の少ない、持続可能な埋立地運営」 を実現するための改善に取り組むことを目指しています。また、太平洋地域全体の廃棄物問題にも貢献したいという思いがあり、国際的な活躍の可能性もあります。研究も継続し、成果を広く共有することで地域社会に貢献したいです。

6 終わりに

環境保全への強い使命感を胸に日本に渡り、3年半の学びを積み重ねているウォルターさん。
穏やかな語り口の中にも、母国と地域の未来をよくしたいという情熱がしっかりと感じられました。日本で得た知識と経験を糧に、パプアニューギニアそして太平洋地域の環境改善に向けて歩み続けるウォルターさんの活躍を、これからも応援しています。

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