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「長期研修員の素顔と魅力⑯~」

2026.03.19

JICA東京センター長期研修課では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れています。本記事では、インターン生による開発途上国からの留学生へのインタビューをご紹介します。

インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)

JICA長期研修員の紹介:Mr. OBI Kelechi (聖路加国際大学)

今回は、ナイジェリア出身で聖路加国際大学公衆衛生学研究科に在学中のOBI Kelechiさん(以下、オビさん)にインタビューしました。オビさんは、ナイジェリアの連邦保健・社会福祉省で上級医務官として勤務する一方、医師として、国の医療や公衆衛生に関わる仕事を担当していました。今回はオビさんに日本での暮らしや学業、将来の展望についてお話を伺いました。

1.JICA長期研修との出会い

オビさんがJICA長期研修に応募した背景には、ナイジェリアの医療システムをより持続可能なものにしたいという強い使命感がありました。医師・公衆衛生専門家として働くなかで、デジタルヘルスの重要性を痛感し、国際協力と人材育成を重視するJICAプログラムは、課題解決に向けた理想の環境でした。

2.研究内容 -デジタルヘルスの現状を可視化する-

オビさんの研究テーマは、「ナイジェリア・アブジャの医療施設における医療従事者のデジタルヘルス機器利用実態の分析」です。
医療機器がどの程度現場に浸透し、どのように使われているか、導入の障壁は何かを調査し、医療システム改善に役立つ政策提言につなげる研究です。
さらに、ナイジェリア全体のデジタルヘルス成熟度を測る別研究も進めており、国家レベルでの政策形成への貢献を目指しています。

3. 静けさと日本食と学びの日々

来日後にまず驚いたのは、日本の公共の場が静かだったことです。特に、電車を待つときに自然と列を作りる文化、日本人があまり会話をせず静かに過ごす様子は、ナイジェリアの公共の場とは大きく異なります。また、箸の難しさにも驚いています。日本人のように使いこなせるように、現在も練習中です。一方でクラスには日本人学生も多く、学生や教授と食事に行き、一緒に日本食を楽しむ時間も増えました。日本食の中でも、味噌ラーメンが大好物です。また、大学では、公衆衛生・デジタルヘルス・政策分析などを深く学び、研究スキルを大きく伸ばしています。学内外では、企業でのインターンシップに参加したり、東京の高校でナイジェリアの文化を紹介する出前授業を行ったりするなど、日本の学生と直接ふれあう機会もあり、国際交流の幅を広げることができています。

4.技術と医療を結ぶ -アフリカの未来に向けた挑戦-

将来は、日本とアフリカをつなぐ医療・技術協力の橋渡し役として活躍したいですと語っていました。すでに日本企業とナイジェリアの医療企業をつなぐ取り組みを経験し、ナイジェリアの医療技術の発展に日本の強みを生かすプロジェクトにも携わっています。
デジタルヘルスを活用して医療サービスの質を向上させ、政策レベルでも改革を推進したいです。

5.おわりに

オビさんは、医療の課題を深く理解しつつ、常に未来を見据えて行動できるリーダーシップを持った方だと感じました。国際協力・デジタル技術・教育という三つの軸を結びつけ、それらを母国やアフリカ全体の医療の発展へ還元しようとする姿勢は特に印象的でした。
また、友人との交流や出前授業など、慣れない環境でも様々なことに積極的に取り組むオビさんの姿から、その行動力と柔軟さを強く感じました。
日本での経験を糧に、ナイジェリア、そしてアフリカの医療の未来に貢献していくことを期待しています。

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