「長期研修員の素顔と魅力⑳~」
2026.05.13
2026.05.13
JICA東京センター長期研修課では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れました。本記事では、インターン生による開発途上国からの留学生へのインタビューをご紹介します。
インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)
インターン中の五味さん
今回は、ジョージア出身で東京外国語大学大学院博士課程に在籍するMaya Talakhadzeさん(以下、マヤさん)にインタビューしました。
紛争関連犯罪というテーマに誠実に向き合い、学術の力で人々の声なき痛みに光を当てようとするマヤさんに、日本での暮らしや研究、将来への展望を伺いました。
マヤさんがJICAに興味を持ったきっかけは、2021年に参加した1週間のJICAオンライン短期研修「水道管理行政及び水道事業経営」でした。
その研修で日本の制度や開発協力のアプローチに触れ、もっと深く日本で学びたいという気持ちが芽生えました。
もともと日本のガバナンスや発展モデルにも関心があり、JICA長期研修員として学ぶ道を選ぶ決意へとつながりました。
マヤさんの研究テーマは、ジョージア・アブハジア紛争において、いまだ解決していない紛争関連犯罪を掘り下げることです。
ジョージア・アブハジア紛争は30年以上前の紛争であるため、研究初期には「学術界が関心を持つだろうか」という迷いもありました。
しかし、指導教員や研究仲間との対話を重ねる中で、このテーマは歴史ではなく「今も続いている人々の痛み」であり、時代を超えて意味を持つ研究であることに気づきました。
一方で、紛争研究特有の難しさもあります。紛争に関する公式文書や記録がほとんど残っておらず、研究に使用できるデータの収集は極めて困難です。
日本での生活でまず驚いたことは、電車の中での静けさでした。ジョージアと比べても圧倒的に人が多いのに、きちんと車内の秩序が保たれている光景はとても印象的でした。日本語に不安があるときも、JICA関係者などの協力により、困ることはほとんどありません。支えてくれる人のおかげで、日本で安心して生活できています。研究の息抜きに、JICAのイベントで、高尾山ハイキング、横浜ツアー、クラシック音楽やミュージカルの鑑賞など、さまざまな体験プログラムに参加してきました。
2025年からは日本の大学で講義を担当する機会を得て、教壇にも立つようになりました。その経験を通じて、教育は自分にとって大きな喜びであると感じました。
紛争や人権、国際協力の分野で、学問の知識を実際の現場に役立てたいと思います。
紛争で傷ついた人々の思いに寄り添い、その記憶を未来へ伝えようとしているマヤさん。ジョージアの抱える様々な問題を解決したいと熱く話してくれた姿が印象的でした。
また、日本での生活は研究を深めるだけでなく、日本の文化を知る良い機会にもなっているようです。
これからもジョージア、そして国際社会に貢献できる研究者として成長していくマヤさんを、心から応援しています。