jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

「長期研修員の素顔と魅力㉒~」

2026.06.15

JICA東京センター長期研修課では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加する日本の大学生・大学院生を受け入れました。本記事では、インターン生が開発途上国からの留学生にインタビューした内容をご紹介します。

インタビューアー:五味颯真(東京外国語大学)

旅行中の五味さん

JICA長期研修員の紹介:Mr. BRAIMO Cassimo(法政大学)

今回は、モザンビーク出身で法政大学大学院 修士課程に在籍する BRAIMO Cassimo さん(以下、カッシモさん) にインタビューしました。モザンビークの国営炭化水素会社(石油・ガスなど)でデータアナリストとして働きながら、より高度な技術習得を目指して来日したカッシモさんに、日本での学びや研究、そして未来への展望についてお話を伺いました。

1 JICA長期研修との出会い

カッシモさんが JICA の研修に応募した動機は、技術を通じて自国の発展に貢献したいという強い思いでした。また、日本で学び、JICAの研修に参加した経験を持つ職場の同僚の存在も大きな影響を与えました 。
先端技術で知られる日本で学ぶことは、自身の専門性を磨き、自国の産業に新たな変革をもたらす絶好のチャンスだと感じました。
さらに、幼い頃から日本の文化、歴史、価値観に強い関心を持っていたことも応募を後押ししました。

2 研究内容 ― 「ディープラーニングを用いた地震探査データ補完」への挑戦

カッシモさんの研究テーマは、「Seismic Data Interpolation:ディープラーニングと従来手法を比較した地震探査データ補完の研究」です。地震探査データは、地下の様子を画像のように見せるものですが、高品質なデータの取得には高いコストと技術的な困難が伴い、欠損や不完全なデータが生じることは少なくありません。そこでカッシモさんは、U‑Net などのディープラーニングを用いて欠損データを再構築・保管する研究に取り組んでいます。本研究では、AIを用いた手法と従来手法を比べながらデータ解析の精度向上を目指しています。
これにより、石油・ガス産業においてデータ取得コストの削減と、より効率的な資源探査の実現につながることが期待されます。

3 日本での生活で感じたこと ― 神社・寺院・文化を楽しむ日々

今回が初めての海外での長期滞在となるカッシモさんですが、文化面での適応にはそれほど困難はなかったものの、言語の壁には苦労しました。しかし親切で協力的な日本の人々との交流を通じて、徐々にその壁を乗り越え、今では簡単な日本語を交えながらコミュニケーションを取れるようになりました。
日本文化への関心も高く、これまでに広島城・金沢の寺院・原宿周辺の神社など、多くの文化的スポットを訪れました。中でも、東京で人生初めての雪を見た経験は、忘れられない思い出となりました。

4 多文化環境で得た新しい視野

法政大学では、研究室での活発な議論が刺激になっています。教授や学生仲間との意見交換を通して研究がより深まり、プレゼンテーションや学術論文の書き方を学ぶ授業も大いに役立っています。 また、JICAの各種プログラムを通して、日本国内での交流や文化体験を重ね、日本への理解を一層深めています。

5 日本で得た知識を母国へ ― 未来につなげる知識と技術

JICA長期研修プログラム修了後はモザンビークへ帰国し、国営炭化水素会社に戻り日本で培ったデータ解析やディープラーニングの知識・技術を生かして、再びデータアナリストとしてエネルギー分野の発展に貢献することを目指しています。また、指導教員や研究者仲間、さらにはJICA長期研修プログラムおよびJICAの同窓ネットワークとのつながりを維持し、日本との強固な関係を続けていく考えです。これらのネットワークを通じて、知見の共有や将来的な共同研究の可能性の模索、さらには最新技術動向の把握に努めていきます。
さらに、エネルギーやデジタルイノベーション分野において、日本とモザンビークの機関間の連携促進にも取り組む予定です。日本語や日本文化への理解を深めるとともに、プロフェッショナリズムや責任感、継続的改善といった価値観を実践しながら、両国をつなぐ持続的な架け橋となることを目指しています。

6 終わりに

自国の発展を願い、日本での学びに真摯に取り組むカッシモさんの姿勢からは、静かな情熱と確かな使命感が伝わってきました。
ディープラーニングを用いた彼の研究は、モザンビークにおける資源探査や産業発展に大きく貢献する可能性を秘めています。
日本で培った経験と価値観を糧に、モザンビーク、そしてアフリカ地域全体のより良い未来の実現に向けて歩み続けるカッシモさんの今後の活躍を、引き続き応援していきます。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ