JICA研究所

JICA研究所について

研究所長あいさつ

着任のごあいさつ

JICA研究所長に着任するにあたり、一言、ごあいさつを申し上げます。
 
2008年に設立されたJICA研究所は、今年10月で満10年を迎えます。この10年弱の間に、JICA研究所は、技術協力と資金協力の両方を担う二国間援助実施機関の研究部門として、着実に開発研究の実施、国内外の研究者や研究機関との連携、研究成果の発信などに取り組んできました。私は、諸先輩が築いてきた研究所の基盤を受け継いで、この4月から6代目の所長としてバトンを預かることになりました。今はその責任の重さに身が引き締まる思いです。研究所の運営にあたっては、次の3点を重視していきたいと考えています。
 
第一に、JICAが有する開発事業のデータや人的ネットワークを活用し、国内外の研究者や開発実務者と連携して研究プロジェクトを行うことを重視します。JICAには、60年にわたるODA事業のデータや事業を通じて築かれたさまざまなネットワークが存在しています。JICA研究所の役割は、こうしたデータやネットワークを活用した研究により、そこから活用可能な知識を生み出して、今後の開発途上国の開発事業に役立てることです。そのためには、さまざまな分野の国内外の研究者の参加が必要です。こうしたJICAの開発“現場”と国内外のアカデミアをつなぐ役割は、JICA研究所がその設立時から最も重視してきたものでした。現在、JICA研究所が取り組んでいる「日本の開発協力の歴史」研究やインフラ事業の社会経済的なインパクトに関する実証研究などは、この取り組みの代表例です。私は、このJICA研究所の伝統に忠実に、今後とも、JICAの開発事業のデータやネットワークを活用し、国内外の研究者や開発実務者と連携して研究プロジェクトに取り組んでまいります。
 
第二に、JICA研究所の研究成果やJICA事業の発信に努めます。JICA研究所はこれまで、ワーキングペーパー/学術書籍/プロジェクト・ヒストリーの出版、国内外でのセミナーやシンポジウムの開催や参加、学会活動などを通じて、対外発信に努めてきました。さらに、現在、学術研究の成果から導かれる政策提言を簡潔にまとめたポリシー・ブリーフの発刊を準備しています。JICA研究所では、研究者から政策担当者まで幅広い対象者に多様な内容の発信を行っていますが、近年のIT技術の進展にともない、発信媒体についても不断の見直しを行い、限られた資金でより広くより深く届く方法を模索したいと思います。
 
第三に、JICAが新たに取り組んでいるJICA開発大学院連携事業にもしっかりと取り組みます。JICA開発大学院連携は、JICA理事長のイニシアティブのもと国内事業部が中心になり推進している新たな取り組みで、JICAと国内の大学が連携して、開発途上国の有為の若者に日本の近代の開発経験と戦後のドナーとしての知見の両面を学ぶ機会を、留学を通じて提供するものです。JICA研究所は、日本の大学とのネットワークやこれまでの研究活動の成果を活用して、この事業の質的側面を担っています。JICA研究所としては、研究活動の成果が開発大学院連携事業を通じて開発途上国の将来の発展にさらに生かされることを期待しています。
 
JICAは昨年7月に「信頼で世界をつなぐ」という新たなビジョンを掲げました。JICA研究所は小規模な組織ですが、国内外の研究者や開発実務者と連携することにより、信頼に満ちた世界の実現に、研究活動とその発信を通じて貢献していきたいと思います。どうか引き続き、JICA研究所に対して、温かいご支援とご協力を賜るとともに、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いに存じます。
 
2018年4月1日
JICA研究所
研究所長 萱島信子

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