研究所のビジョンと基本方針

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)は、2008年10月の研究所設立に尽力された故緒方貞子氏の理念を継承し、開発途上国が現場で直面する課題について政策志向の研究を行い、国際社会における日本の知的プレゼンスの強化を目指して取り組みます。

さらに、日本の開発経験や援助実施国としての知見を体系化し発信すると共に、国際秩序の変化、情報社会への転換、気候変動などの今日的な課題や脅威も踏まえて、研究・発信活動のさらなる充実に努めます。これらを通じて、世界をリードする開発・国際協力研究の拠点となることを目指します。

そのために、以下のビジョンと基本方針を定めています。

ビジョン

平和と開発のための実践的知識の共創
(Co-Creating Practical Knowledge for Peace and Development)

世界の平和と開発のために、さまざまなパートナーと共に、現場重視の視点をもって質の高い研究を行い、政策インパクトのある発信をしていきます。

研究の基本方針

1)国際的な学術水準の研究を行い、積極的に発信する。
2)現場で得られた知見を分析・総合し、事業にフィードバックする。
3)人間の安全保障の実現に貢献する。

以上の方針のもと、変化する国際社会に対応し、持続可能な開発目標(SDGs)の戦略的推進や新たな開発課題に関する研究に果敢に挑戦します。また、JICA開発大学院連携事業の一翼を担う機関として同事業を推進し、日本が培った経験を積極的に発信します。併せて人材育成の機能と研究交流の拠点としての機能を一層強化します。

グローバル化や企業活動の拡大、技術革新が進む一方で、格差の拡大、パワーバランスの変化による地政学的緊張の高まり、気候変動や人口動態変化など、世界や開発途上国が直面する課題はますます多様化・複雑化しています。今日的な視点で人間の安全保障の実現に向けて、イノベーティブな発想をもって取り組み、領域をまたがる研究や外部機関との知のコラボレーションを積極的に進めていきます。