【終了】JICA緒方研究所・JICA横浜 海外移住資料館共催 2022年度移住史・多文化理解オンライン講座 ~歴史から「他者」を理解する~ 第6回 アメラジアンという視点

掲載日:2023.03.07

イベント |

イベント内容

講座概要

日本で増えつつある海外からのさまざまな移住者の背景について理解を深めるため、JICA 緒方研究所とJICA横浜 海外移住資料館は「2022年度移住史・多文化理解オンライン講座」を共催します。日本に暮らす人々の中には、さまざまな外国のルーツを持つ方々がいます。しかし、そのことはあまり知られていません。多文化共生とは、まずは「他者」を理解しようと努めることから始まるのではないでしょうか。

本講座では、国境を超える人々がどのような思いで移動し、どのような生活を送ってきたのか、その歴史や社会背景の理解を通じて、多文化共生を共に考えていきます。本講座は、緒方研究所の研究プロジェクト「日本と中南米間の日系人の移動とネットワークに関する研究」の活動の一環として開催されます。また、南北アメリカへの日本人の海外移住の歴史を展示する海外移住資料館と共催し、過去・現在の海外移住の経験を見つめなおすことを目指しています。1~3月の全7回の講座を通じ、多様な移住者やその家族についてよりよく知るためのヒントをご紹介します。

発表概要

第6回では、琉球大学の野入直美准教授に「アメラジアンという視点」をテーマに講演いただきます。アメラジアン(Amerasian)とは、アメリカ人とアジア人の両親をもつ人のことで、とくに米軍の派兵・駐留を背景として生まれてきた人という意味合いをもっている言葉です。日本では、在日米軍基地のおよそ7割が集中する沖縄において、多数のアメラジアンが生まれてきました。

この講演では、著作『沖縄のアメラジアンー移動とダブルの社会学的研究』(2022年、ミネルヴァ書房。沖縄タイムス出版文化賞受賞)を中心に、アメリカ合衆国における「アメラジアン」の社会問題化や、フィリピン、韓国における議論をたどります。沖縄の国際社会福祉は国際養子縁組から始まりますが、沖縄の「復帰」(施政権の日本政府への返還)を前に、母親の国籍を継承していない国際児(異なる国籍を持つ者の間に生まれた子ども)に日本国籍を取得させるための国籍法改正運動が高まります。さらに1998年には、母親たちによって民間の教育施設であるアメラジアンスクール・イン・オキナワが設立されました。

アメラジアンスクールで「ダブルの教育」を学んだ卒業生は、中学校課程を卒業した後、どのように進学し就職していったでしょうか。「いいなぁ、ハーフかっこいい」と、もてはやされる時代にあって、差別は過去のものになったのでしょうか。講演では、アメラジアンというフレームを通して「多文化共生」を批判的にとらえなおすことも試みます。

プログラム

18:30 開会
18:35 講演
野入 直美(琉球大学 人文社会学部人間社会学科 准教授)
司会:長村 裕佳子(JICA緒方研究所 研究員)
19:35 質疑応答
20:00 閉会 

問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:長村)
メール:ditas-rsunit@jica.go.jp

申し込み方法

このイベントは終了いたしました。

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