JICA緒方研究所

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「平和構築および国家建設に関する国際対話」第1回作業部会で、室谷リサーチ・アソシエイトが能力開発支援の方策を議論

2010年11月26日

11月18日から2日間、パリで「紛争と脆弱性に関する国際ネットワーク(INCAF)」※1が進める「平和構築および国家建設に関する国際対話」の作業部会第一回会合が開かれ、能力開発(CD:Capacity Development)と援助手法の作業部会に、JICA研究所から室谷龍太郎リサーチ・アソシエイトが参加しました。

初日に行われたCD作業部会では、重点課題として①ドナーによる人材雇用・調達の影響、②技術援助(TA)の有効性、③現地職員雇用に関する対策が挙げられ、被援助国側からは計画策定や財務管理に携わる優秀な人材の維持の難しさなどの意見が示されました。参加者からは、CDプロセスの多様性や成功例に注目する必要性、短期と長期のニーズバランスや、制度や技術だけでなく社会の信頼構築にも取り組んでいくことの重要性なども指摘されました。この中で室谷リサーチ・アソシエイトはJICA研究所で取り組んでいる研究を踏まえて「技術援助・技術協力の方法は多様であり、一括りに議論するのではなく成功事例を分析することが重要。CD支援の成功事例から得られた外部者と内部者の相互学習や共創の重要性といった教訓を踏まえ、途上国側の職員と共に現地の事情に合った施策を見つける姿勢が必要。また、行政機構の能力が弱い段階では、市民社会の能力や社会の信頼も重要な要素であり、CD支援の視野を社会全体に広げることが重要になってくる」との考えを示しました。

また二日目に行われた援助手法作業部会では、紛争後の援助調整・戦略作りに関する政府組織・制度作りの取組みについて、リベリア、アフガニスタン、南スーダンの事例が発表されました。ここで被援助国側からは、財政支援や信託基金、プール基金の積極的な活用に対する期待が表明され、そのために必要な計画策定や財政管理のための能力向上に向けた取り組みの重要性が議論されました。こうした議論に対して室谷リサーチ・アソシエイトは、「財政支援を含む様々な援助手法が、短期的にどのような効果があげているか示すと共に、長期的には平和構築・国家建設という成果にどう影響しているのか、国家だけでなく社会への影響も含めて示す必要があるのではないか。」と指摘しました。

各ドナーと脆弱国政府・市民社会が直接対話を行ったことで、双方の考え方や問題点が共有され、具体的な課題解決に向けた方策を検討する上で、有意義な会合となりました。作業部会は来年春に再度会合を開く予定です。


※1 INCAF(The International Neywork on Conflict and Fragility)は経済協力開発機構・開発援助委員会(OECD・DAC)の下部組織のひとつで、紛争の予防や紛争後の復興および脆弱国の開発について議論している。援助国側と被援助国側が対話する場として開催される「平和構築および国家建設に関する国際対話」では、能力開発、援助手法、計画策定プロセス、政治対話の4つの部会が開かれている。

ムービー・コメンタリー

室谷龍太郎 JICA研究所リサーチ・アソシエイト

日時2010年11月18日(木) ~ 2010年11月19日(金)
場所フランス パリ
言語英語
問い合わせ先JICA研究所 企画課
電話:03-3269-2357



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