2011年9月29日
JICA研究所は9月21日にロンドン大学東洋アフリカ学院(The School of Oriental and African Studies)のマチコ・ニサンケ教授を迎え、「アフリカにおけるインクルーシブな開発に向けて」と題する公開セミナーを開催しました。ニサンケ教授は国際経済学、金融経済学を専門としており、中でもアフリカと東アジア地域に深く精通しています。同氏はこれまで、UNDP(国連開発計画)や世界銀行、JICAなど、様々な国際機関の顧問として活躍してきました。
JICAは長年アフリカの開発に携わってきており、「みんなの学校」プロジェクトなど、同地で数々の援助プログラムを実施してきた実績があります。今回のセミナーは、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を2013年に控え、世界で最も開発の遅れている地域の一つであるアフリカの開発課題について学び、そして考察することを目的として開催されました。
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マチコ・ニサンケ教授 |
ニサンケ教授は、アフリカはアフリカ独自の解決方法を見つけなければならないと主張し、1時間以上に及ぶ発表を締めくくりました。「長年にわたりアフリカは、何をすればよいのか、そのアイデアを外部から言われてきた。しかし必要なことは、アフリカの人々が、自分たちがどう発展していくのかを考え出すことだ。主人公は現地の人でないといけないのだから。」と結びました。
また、インクルーシブな開発へ向けた政策提言に関して同氏は、グローバリゼーションの影響で生じる社会不安や緊張の中、“インクルーシブ”や“共有” という概念自体が現在危機に瀕していると警告し、今こそインクルーシブな視点をもって長期的視野に立った開発に取り組んでいくことが求められていると訴えました。
ムービー・コメンタリー
マチコ・ニサンケ ロンドン大学東洋アフリカ学院教授
日時 | 2011年9月21日(水) |
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場所 | JICA研究所 400号室 |
主催者 | JICA研究所 |
言語 | 英語 |
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