JICA緒方研究所

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世界銀行、東京大学、研究所によるジョイントセミナー「開発援助評価を再考する」開催

2012年10月18日

世界銀行(以下世銀)評価局、東京大学先端的学際政策研究室、JICA研究所は、「開発援助評価を再考する—世界銀行グループとJICAの見地から—」と題したジョイントセミナーを東京大学経済学研究科にて10月8日に開催しました。

 

今回のセミナーは、援助効果を高めるのに不可欠な「鍵」となっている開発援助の評価について議論する目的で実施され、各機関が有する災害復興、社会的保護や技術協力など様々な分野における事業・プロジェクト評価の経験を共有しました。

 

世銀からは、評価局(独立評価グループ、Independent Evaluation Group: IEG)副総裁のキャロライン・ハイダー氏、同じく評価局から民間セクター局長のエマニュエル・ヒメネス氏が招かれ、研究所からは細野昭雄所長をはじめ、客員研究員でもある東京大学の澤田康幸教授と戸堂康之教授も出席し、評価についての議論に参加しました。

 

冒頭で、ハイダー氏は「独自の評価による開発援助機関の有効性の強化」と題する講演を行いました。 その中で同氏は、世銀の強みとして「世銀グループは、世界で最大の評価局を設置しており、援助効果を独自に評価し、その結果を直接役員会に報告できるシステムが特徴である」と述べました。さらに、「プロジェクトごと、国別、分野別のレベルでの評価や評価要約などを提供するなど、多様化したニーズに合わせた評価手法を採用しており、こういった評価の重要性が今ほど高まっている時期はこれまでになかった」と強調しました。

 

続いて細野所長は、「レジリエンスと災害危機管理」のテーマで講演を行い、東日本大震災、阪神・淡路大震災などの経験から得た都市における防災対策について説明し、これらの経験を生かした開発途上国における防災対策の一例としてJICAが協力してきた中米のBOSAIプロジェクト、メキシコやエルサルバドルのTAISHINプロジェクト、またエルサルバドルでのGENSAIプロジェクトなどの事例を紹介しました。その上で、各国の中央政府や地方自治体だけでなく、コミュニティを巻き込んだ、災害危機管理に対するより総括的なアプローチの必要性を強調しました。

 

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    左からハイダー氏、細野所長、ヒメネス氏、戸堂教授、澤田教授
世銀評価局からの、もう一人のスピーカーであるヒメネス氏は、気候変動対策を取り上げたうえで、世銀が毎年約400にのぼるすべてのプロジェクトに独自評価に基づく手法を用いていることを述べました。また、過去に行った評価に基づいた災害危機管理の成果や、危機管理に対応するキャパシティ・ビルディングの重要性などについても言及しました。

 

最後に、戸堂客員研究員は、エチオピアでの参加型森林管理プロジェクトと、インドネシアにおける鋳物産業への技術協力プロジェクトを紹介しながら、的確なインパクト評価を行うため、JICAの評価チームが独立性を持ち保てるシステムや、納税者に納得のいくようなインパクト評価の活用などについて提言しました。

 

このセミナーを通してJICAが今後、一層効果的な評価手法を進めていくための有益な示唆が与えられました。

 

日時2012年10月 8日(月)
場所東京大学、東京



開催情報

開催日時2012年10月 8日(月)
開催場所東京大学、東京

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