2014年10月8日
10月1日から10月4日までの4日間、JICA研究所特別招聘研究員のスリン・ピッスワン氏が、パキスタンを訪問しました。
スリン氏は、タイ国外務大臣やASEAN事務局長を歴任し、2001年から2003年には国連人間の安全保障委員会の委員を務め、現在はオックスフォード大学イスラム研究センターフェロー、およびタイのタマサート大学名誉教授を務めています。スリン氏は2013年11月から、JICA研究所特別招聘研究員に就任しています。
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ノンフォーマル教育の生徒、教師、保護者らと記念撮影
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今回の訪問では、教育は相互理解や視野を広げる上で非常に重要な役目を担っている(Education opens up mind)とのスリン氏の考えのもと、職業訓練校や、高等教育機関など、教育分野の関係事業、機関を精力的に訪問しました。JICAが支援する「パンジャブ州ノンフォーマル教育推進プロジェクト」を訪問した際には、5歳から15歳の子ども達を対象としたノンフォーマル基礎教育の授業を訪れました。スリン氏は、40名の子どもとその保護者、プロジェクト関係者の前で、イスラム教徒でありタイ国のマイノリティとして育った自身が、家族の導きや自らの努力で勉学に励み、研究者、政治家、外務大臣になることができたのは偏に教育の力故であると説き、教育は力の源でありまた子ども達を新しい世界へと誘うきっかけであると述べました。40名の子どもたちは皆可能性に満ち溢れており、将来医者、看護師、政治家が育つかもしれず、是非とも子どもたちの教育を続けてほしいと関係者を励ましました。教育の力で人生を変えたスリン氏の言葉は力強く説得力に富み、人々の心を引き付けました。
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Ahsan Iqbal計画開発大臣より vision2025の贈呈を受けるピッスワン氏(左)
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パキスタンの歴史、文化、生活に敬意を表しつつ、自らの生い立ちを交えながらムスリム社会の相互理解の必要性、知識の探求(keep opening minds for knowledge)と教育の重要性を説くスリン氏の提言は、訪問したパキスタンの関係者を励ますものであり、また、同時に同国をはじめイスラム国の安定のためにJICA事業や研究が歩むべき方向性について、重要な示唆を与えるものとなりました。
スリン特別招聘研究員は、11月には日本でパキスタン視察に基づく報告を行う予定です。
日時 | 2014年10月 1日(水) ~ 2014年10月 4日(土) |
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場所 | パキスタン |
関連ファイル |
開催情報
開催日時 | 2014年10月 1日(水)~2014年10月 4日(土) |
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開催場所 | パキスタン |