2015年4月14日
JICA研究所の北野尚宏副所長と原田幸憲研究助手が共同執筆し、2014年に刊行したワーキングペーパー(論文)『Estimating China's Foreign Aid 2001-2013』(中国の対外援助推計2001-2013年)が、国際開発の分野で評価が高い学術誌『Journal of International Development』に掲載されました。
この論文は、中国の対外援助額と、経済協力開発機構(OECD)開発援助委員会(DAC)加盟国の政府開発援助(ODA)額を比較するため、中国の対外援助額をDACの定めるODAの定義に準ずる形で推計したものです。
近年、開発援助の状況は大きく変化し、伝統的な援助国(ドナー)であるDAC加盟国に加え、中国をはじめとする新興国が台頭しています。しかし、中国はDACに加盟しておらず、DAC諸国と比較可能な対外援助額は公表されてません。
論文では、中国語のみで発信されている情報を含め、さまざまなデータを基に、中国全体の対外援助額を推計しました。その結果、2001年には世界16位だった援助額が、2013年には同6位に達し、急速に伸びていることが明らかになりました。
研究者の間でも、この論文は、「信頼できる数字」として引用されるなど一定の評価を得ています。例えば、Justin Lin、Yan Wangの論文『China's Contribution to Development Cooperation : Ideas,Opportunities and Finances』や、Yanbing Zhang、Jing Gu、Yunnan Chenの論文『Rising Powers in International Development China's Engagement in International Development Cooperation: The State of the Debates』などで引用されています。
外部サイトの関連リンク
Journal of International Development紹介ページ "Estimating China's Foreign Aid 2001-2013"(英文)