JICA緒方研究所

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北野副所長が南南・三角協力に関する日本の経験をドナー国・援助受入国と共有

2015年7月2日

JICA研究所の北野尚宏副所長は、2015年5月27日、カンボジアのプノンペンで開かれた「Asian Approaches to Development Cooperation (AADC) 対話」の第5回会合に出席し、南南協力・三角協力についての日本の経験について話しました。

北野副所長
発表する北野尚宏JICA研究所副所長

 

アジアにおける開発アプローチについて議論する「AADC対話」は、韓国開発研究院(KDI:Korea Development Institute)とアジア財団(TAF:The Asian Foundation)の共催で毎年1度開催されています。今回は、南南協力・三角協力をテーマに、その現状と課題が話し合われました。日本、アメリカ、オーストラリア、韓国、中国、インド、カンボジア、スリランカ、タイ、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ミャンマーなどから、政府関係者、研究者、専門家らが参加、南南協力・三角協力の提供国・機関、受け入れ国双方のそれぞれの観点から、活発な意見交換が行われました。

 

北野副所長は、「南南協力・三角協力に関する日本の経験」と題し、JICAのこれまでの取り組みの概要を紹介しました。そのなかで、JICAのアプローチとして、「中核拠点(center of excellence)アプローチ」の事例と、「地域ハブ(regional hub)アプローチ」の事例を説明しました。

 

カンボジア地雷対策センター
カンボジア地雷対策センターでの
訓練風景(Photo: JICA/Stephan Janin)

中核拠点アプローチは、JICAが協力相手国とともに、その国に中核拠点を作り、第三国研修などを行って、協力相手国の技術、知識、実践を、他の途上国に移転していくものです。その拠点の多くは、JICAが過去に協力を実施し、成果を上げたところです。その例として、北野副所長は、カンボジア地雷対策センター(CMAC)、日本の品質管理手法である「カイゼン」に取り組んだスリランカのキャッスルストリート病院の例を紹介しました。

 

JICAはCMACに対し、地雷や不発弾撤去のための能力強化を支援してきました。現在では、CMACは、南南協力・三角協力という形で、アンゴラやコロンビア、ラオスといった国々への協力を行っています。キャッスルストリート病院は、「カイゼン」を取り入れて、新生児の感染症罹患(りかん)率を減らすことに成功しました。そのカイゼン手法を他の医療機関にも広めようと開始されたのが「きれいな病院プログラム」で、アフリカの15の国で成果を収めています。

 

地域ハブアプローチの例として北野副所長は、タイ政府とJICAが2002年にバンコクに建てた「アジア太平洋障害者センター」を挙げました。同センターは、地域のハブとして、障害者に関する様々な研修やワークショップを提供しています。

 

北野副所長は、最後に、JICA研究所が南南協力・三角協力についての研究プロジェクトを実施していること、その成果として発刊された書籍などについても紹介しました。

 

日時2015年5月27日(水)
場所カンボジア、プノンペン



開催情報

開催日時2015年5月27日(水)
開催場所カンボジア、プノンペン

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