2017年3月14日
国際ガバナンス・イノベーションセンター(CIGI)のロヒントン・メドーナ所長が2017年3月6日、JICA研究所を訪問し、変わりつつあるグローバリゼーションのあり方と、G20諸国やシンクタンクの役割をテーマに議論しました。
CIGIはカナダ・ウォータールーに拠点を置き、国際的なガバナンスに焦点を当てたシンクタンクです。G20に対して研究に基づいた政策提言を行うG20諸国のシンクタンクの取り組み「Think 20」(T20)の設立にも携わりました。
メドーナ所長は、アンチグローバリズムの例とされるイギリスのEU離脱についての国民投票やアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の当選を挙げながら、グローバリゼーションの形が変わりつつあることを説明しました。ただし、グローバリゼーションは反転しているものの、必ずしも警鐘を鳴らす必要はないだろうと話しました。資本の移動は多く健全であるにもかかわらず、貿易の停滞、労働力や人々の流入による摩擦が続き、それに対する対応が遅れていることから、グローバリゼーションは長い間バランスがとれていなかったと指摘しました。
さらにメドーナ所長は、これを機に開発途上国がグローバルな社会的弱者対策に向けたルール作りや組織設立に参加することで、大きな役割を果たすようになるのではないかと推測しました。
質疑応答では、JICA研究所の研究者が「そのような状況下でどうしたらG20をより意味あるものにできるか」などの質問を投げかけました。