JICA緒方研究所

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グローバル・シンクタンク・サミット2017でシンクタンクの役割を議論—北野所長

2017年5月11日

セッションで司会を務める北野所長(左端)

グローバル・シンクタンク・サミット2017「アジアと世界における持続可能な開発のためのバランスのとれた成長の達成:シンクタンクの役割」が2017年5月1日から3日まで横浜市内で開催され、JICA研究所の北野尚宏所長らが議論に参加しました。

同サミットは、アジア開発銀行(ADB)横浜総会に合わせ、アジア開発銀行研究所、ADB、ペンシルバニア大学ローダー研究所「シンクタンクと市民社会プログラム」が共催し、各国のシンクタンク関係者ら約120人が出席しました。

5月2日には「ポピュリズム時代におけるシンクタンクと市民社会」など5つのセッションが開催され、北野所長は第4セッション「貧困、不平等、包括的成長(Poverty, Inequality and Inclusive Growth)」で司会を務めました。

まず北野所長より、持続可能な開発目標(SDGs)や日本の開発協力大綱では持続可能な質の高い成長と格差の是正が重要なアジェンダになっていることを紹介し、「国内における格差の拡大にどう取り組むか」「格差是正のために個人や組織レベルでどんな能力強化が考えられるか」「科学技術とイノベーションの役割」の3つの論点を示しました。これを受け、3名のパネリストがそれぞれの立場や経験から、水・衛生分野におけるイノベーションや、若者の意識調査結果から示唆されたSDGs達成のために若者が行動する意義、GDP指標の限界とそれを補完する指標としての「社会進展指標(Social Progress Index)」などに関して話し、その後、来場者も含めてシンクタンクの果たすべき役割について議論しました。

今回のサミットはADB総会に合わせて開催され、欧米のシンクタンクに加えてアジア各国の主要シンクタンクからも多くの関係者が参加しました。総会中の論点の一つは、グローバル化とポピュリズムが同時に進行する世界でシンクタンクが果たすべき役割についてでした。もう一つの論点は、日本を含むアジアの成長に関するものでした。また日本の高齢化問題には多くの参加者が高い関心を寄せ、日本の経験に学びたいとの声が聞かれました。

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