JICA緒方研究所

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米コーネル大学とカナダCIGIで中国の対外援助について講演-北野所長

2017年12月27日

コーネル大学で最新の中国援助推計などについて講演する北野所長

JICA研究所の北野尚宏所長は、2017年11月28~29日にかけて北米を訪れ、米国コーネル大学とカナダ有数のシンクタンクCentre for International Governance Innovation(CIGI)で、中国の対外援助について自身の研究成果を発表しました。この訪問は、コーネル大学のラビ・カンブール教授と、CIGIのロヒントン・メドーラ所長の招へいで実現したものです。カンブール教授は、JICA研究所とコロンビア大学Initiatives for Policy Dialogue(IPD)の共同研究の成果として刊行される書籍の共同編者を務めています。

まず28 日に、北野所長はコーネル大学都市地域計画学部の講演シリーズで「Estimating China’s Foreign Aid: New Data」と題して講演し、学生、教員など約40人が聴講しました。北野所長は、JICA およびJICA 研究所について紹介した後、最新の中国援助推計や現場レベルでの中国の対外援助の実態、そして中国の対外援助の今後の課題について論じました。質疑応答では、中国の対外援助やJICAの活動をめぐるさまざまなトピックについて活発な議論が交わされました。

29 日に、北野所長はカナダのCIGIで開催されたラウンドテーブル・ディスカッションに出席。CIGIは2001年に設立されたグローバル・ガバナンス研究を主軸とするカナダの民間シンクタンクで、国際経済、国際安全保障・国際政治、国際法の3つの研究部門を有しています。また、CIGI、ウォータールー大学、ウィルフリッド・ローリエ大学が2007年に共同で設立したバルシリー国際問題大学院(The Balsillie School of International Affairs: BSIA)もあります。

このラウンドテーブルには、メドーラCIGI所長、ジョン・ラベンヒルBSIA院長、ウォータールー大学の王紅纓(Hongying Wang)准教授、CIGI 3 部門の研究者ら約20人が出席し、「The Rise of China through the Lens of Foreign Aid and Data」をテーマに議論しました。北野所長は、援助額推計から見た中国の台頭について、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を事例に説明し、今後の中国の課題として、1)貸付先の国々の政治リスク、2)実施体制の脆弱性、3)債務持続性の3点を挙げて論じました。続いて、中国の対外援助のアプローチ方法からその実態に至るまで、多岐にわたる質疑応答が行われました。

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