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東日本大震災からの復興経験を生かし強まるフィリピンとの絆-東松島市へプロジェクト・ヒストリー書籍を寄贈

2018年4月4日

須藤勝義JICA東北支部長(左)より、渥美巖東松島市長に書籍を寄贈

2018年3月27日、宮城県東松島市役所で、JICA研究所が発刊した「プロジェクト・ヒストリー」シリーズの書籍『屋根もない、家もない、でも、希望を胸に フィリピン巨大台風ヨランダからの復興』の寄贈式が行われました。

同書は、2013年11月にフィリピンを襲った超大型台風ヨランダの被災地で、緊急復旧支援からその後の約5年にわたる日本の取り組みを紹介したものです。その中で、同じ被災地として東日本大震災からの復興に取り組む東松島市とフィリピン復興関係者との交流の様子も紹介されていることから、今回の寄贈につながりました。

「台風ヨランダ災害緊急復旧復興支援プロジェクト」では、国内支援委員を務めた高橋宗也宮城県議会議員(当時は東松島市役所職員)と橋本孝一東松島市商工会会長の2人が派遣され、フィリピンの被災地を4回訪問。関係機関などに東日本大震災からの復興の経験を共有し、アドバイスを行いました。同じ被災地だからこそ、伝えられることがある—。特に最初の訪問は被災からわずか2カ月後であり、復旧・復興の方針の策定に苦慮していたフィリピン政府関係者にとって大きな支えとなりました。また、同市では計4回フィリピンからの招聘者を受け入れ、相互の交流が深まったことが円滑なプロジェクト運営につながりました。

フィリピンを訪問した高橋宗也宮城県議会議員(右端)と橋本孝一東松島市商工会会長(左から2人目)

この寄贈式には、渥美巖東松島市長、古山守夫副市長、高橋県議、橋本会長らが出席し、同書の著者の平林淳利JICA国際協力専門員が書籍の内容を紹介しました。フィリピンの被災地支援に尽力した高橋県議は、「貢献できることがあるのか正直不安だったが、自分たちの復興への取り組みの真剣な想いが伝わり、フィリピンの人々との関係が深まった。それがプロジェクトの円滑な運営に役に立てたのなら非常にうれしい」とコメント。橋本会長も「プロジェクト関係者が日本式のやり方を押し付けるのではなく、現地の人々に寄り添った支援をしていることに感銘を受けた」と述べました。最後に、渥美市長は自身の東日本大震災の被災経験にふれたほか、「多くの東松島市民もさまざまな被災経験を経て復興に取り組んできた。この書籍は市内の小中学校をはじめ、関係各所に配布し、さまざまな機会に活用する」と固い決意表明をしました。

現在も、東松島市はいしのまきNPOセンター(石巻市)と連携してフィリピンの被災地でカキ養殖技術を伝える草の根技術協力事業に取り組むほか、JICA研修員の受け入れを行っています。JICAは、より良い復興を目指す同市との連携をこれからも続けていきます。

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