JICA緒方研究所

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SDGs達成に向けてブルッキングス研究所との共同研究による書籍発刊イベントを開催

2018年8月6日

共同編者を務め、書籍発刊イベントに参加したJICAの加藤宏理事

JICA研究所とブルッキングス研究所の共同研究「サミットから解決策へ:グローバル目標達成のためのイノベーション」の成果である書籍発刊を記念したイベントが、2018年7月16日にニューヨークの国連本部、18日にワシントンD.C.にあるブルッキングス研究所で開催され、両日とも共同編者を務めたJICAの加藤宏理事が参加しました。

これまで同共同研究では、効果的な援助の在り方について3冊の書籍を発刊しました。今回は第4フェーズの研究成果として、書籍『From Summits to Solutions: Innovations in Implementing the Sustainable Development Goals』を発刊し、2015年に策定された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の達成に向けて実施すべき施策を検証し、今後の援助潮流に新たな視点と論点を提供しています。加藤理事とブルッキングス研究所のホミ・カラス副所長やジョン・マッカーサー上席研究員、ラジ・デサイ客員研究員が共同編者を務めました。

加藤理事がパネリストとして参加した18日のイベントでは、まず、カラス副所長が書籍の構成について説明。第1部の「Capturing Value」では市場経済にSDGsをどのように取り込み、企業のインセンティブを高めるか検討し、第2部の「Targeting Places」では、都市、地方、経済回廊、海洋などに関連するSDGsにおける取り組み、第3部の「Updating Governance」ではSDGsが達成できなかった場合の説明責任について書かれています。カラス副所長は、「SDGsは多数のステークホルダーが異なる立場、異なる考えの下で実施しているが、今回は31人の著者により、さまざまな視点から意見を集約できた」と述べました。また、SDGsの達成度について100カ国で調査した結果、50%達成できる見込みの指標は、25指標のうち5つしかなく、これまでと異なる取り組みでスケールアップする必要があることを指摘。2019年9月の国連ハイレベル政治フォーラムで現状の切迫さを理解してもらい、SDGs達成に向けて各国が取り組みを加速化し、規模を拡大する必要があると訴えました。

また、パネリストの一人として登壇した加藤理事は、同書には3つの重要なメッセージが込められていると述べました。一つ目は「変化」。すでに起きている変化には、浸透、不可逆的、規範形成という特徴があると紹介し、一人一人の考え方、行動、価値観といった根本的な変化をうたっている点が、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)とSDGsが大きく違う点であると述べました。二つ目は、変化を加速させなければ世界の80億人が危険にさらされること、三つ目は、政府関係者、市民団体、援助機関、研究者など、さまざまな分野の専門家が変化を正しい方向に加速させるために具体的かつ論理的な解決策を提言していることを挙げました。最後に、「JICAも業務の迅速化やインパクトの拡大に努める必要があり、民間連携の促進や国際開発機関などとのパートナーシップ強化、ICTなどの新たな技術の活用にも力を入れていきたい」と展望を語りました。

会場からはSDGsが所得の低いアフリカでも役立つのか、官民連携パートナーシップ(PPP)は機能するのか、SDGsの評価手法は検討されているのかといった質問が上がり、議論が交わされました。

同書の9章「Enhancing Statistical Capacity for Development」を執筆したJICA調達部の富澤隆一次長と、15章「Unity in Diversity: Reshaping the Global Health Architecture」を執筆したJICA人間開発部の瀧澤郁雄次長が、各章の概要について動画で紹介しています。以下からご覧ください。

関連動画

9章「Enhancing Statistical Capacity for Development」について(富澤隆一JICA調達部次長)

15章「Unity in Diversity: Reshaping the Global Health Architecture」について(瀧澤郁雄JICA人間開発部次長)

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