「国連UHCハイレベル会合へ向けた日本での専門家会合」に牧本上席研究員が登壇

2019.08.23

2019年7月30日、「国連UHCハイレベル会合へ向けた日本での専門家会合」が国立研究開発法人 国立国際医療研究センター内のグローバルヘルス政策研究センター(iGHP)で開催され、JICA研究所の牧本小枝上席研究員が登壇しました。

会合の様子。牧本小枝上席研究員(右端)

冒頭、国際連合日本政府代表部の江副聡氏より、国連UHCハイレベル会合(9月23日開催予定)の準備状況について報告が行われました。続いて、G20に対してユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する提言を行った関係組織(Think 20(T20)、Civil 20(C20)、Health Professional Meeting(H20)、日本製薬工業協会)の代表者を交えて、G20財務大臣・保健大臣合同セッション(2019年6月28日)並びに首脳会議(6月28、29日)を終えた現在の論点について議論が交わされ、国連UHCハイレベル会合を含め、今後予定される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)(8月28から30日)やG20保健大臣会合(10月19、20日)に向けて、政策課題を協議しました。

G20議長国を務めた日本の主導で、2019年6月にG20初となる財務大臣・保健大臣合同セッションが開催され、UHCが包摂的経済成長の基盤として議論されたこと、並びに重要でありながら同サミットでは十分議論されていないテーマについては、国連UHCハイレベル会合の決議書(7月30日時点の草案)の中で包括的にカバーされる見込みであることについて評価の声が多く聞かれました。他方、各国が国レベルでの現状、決議書の内容を遂行するにあたって障壁となりうる点、国際社会が取り組むべき課題について指摘がありました。

中でも、UHC実現のための資金調達については、各国が公的資金の拠出額を増額させることに近年議論が集中していますが、ODAと国内資金を競争的な関係に置くことによるリスク、さらには、多国間企業の課税問題など保健セクターに留まらない論点についても議論が及びました。その他、UHCにおける人間の安全保障の議論の在り方、ハイレベルミーティングを受けた進捗フォローアップのメカニズムの構築、国連やG20・新興国の位置づけなどについてもそれぞれの立場から意見が交わされました。

また、T20 JapanにおいてUHCワーキンググループを牽引した牧本上席研究員は、T20として取りまとめた政策提言書を踏まえて議論を展開しました。(JICA研究所のT20への取り組みについては、以下の関連情報にある研究プロジェクト「Think 20(T20)Japan 2019」にまとめています。)

JICA研究所は引き続き、多様なステークホルダーとのネットワークの強化、知的コミュニティー形成への貢献、国際開発潮流への能動関与を通じて、UHC推進に向けた議論に貢献していきます。

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