JICA緒方研究所

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仏国際関係研究所主催のセミナーでTICAD7の結果とアフリカにおける日仏協力の可能性について発表—北野客員研究員

2019年9月18日

アフリカにおける日仏協力などについて発表したJICA研究所の北野尚宏客員研究員(左端)

2019年9月6日、仏国際関係研究所(IFRI)がフランス・パリのIFRI本部にて主催したセミナー「G7、TICAD7後のアフリカにおける日仏協力」にJICA研究所の北野尚宏客員研究員が出席しました。北野客員研究員は、最初のセッション「アフリカにおける日仏経済協力:機会と課題」で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の結果とアフリカにおける日仏開発協力連携の可能性について発表しました。

冒頭、司会を務めたIFRIのセリーヌ・パジョン・アジア研究センター日本研究部門長は、今年8月に開催されたG7ビアリッツ・サミットやTICAD7直後のタイミングで、経済協力および安全保障分野での日仏協力の可能性について論じることが同セミナーの趣旨だと説明しました。

北野客員研究員は、「TICAD7はアフリカ53カ国をはじめ多くの関係者の参加を得て、アフリカにおける開発を議論する“開かれたプラットフォーム”として成功裏に終了した」と述べました。また、日本企業によるアフリカでの民間投資促進が今後の日本の対アフリカ開発協力における柱であり、産業人材育成やインフラ開発に重点が置かれていることなどについて述べました。また、今後のアフリカでの開発協力分野におけるJICAとフランス開発庁(AFD)の連携の可能性についても論じました。具体的には、TICAD7の横浜行動計画にも言及されている3つの経済回廊構想のうち、北部経済回廊のケニア・モンバサ経済特区(SEZ)およびコートジボワール、ガーナ、トーゴ、ブルキナファソを結ぶ西アフリカ成長リング回廊、さらにコートジボワール・大アビジャン圏都市整備計画の3構想における両機関の連携の可能性を検討しました。最後に、アフリカとアジアとを包含する地理的概念である「アフラシア」について触れ、日本にとってアフリカははるか彼方にある大陸ではなく、アジアの隣にある大陸と捉えることができると述べ、アフリカと欧州という地理的まとまりとアフラシアが交流することで新たな機会が生まれる可能性があると提起しました。

続いて、AFDのセバスチャン・ミノ・アフリカ担当次長が、G7の結果およびAFDの概要とアフリカでの活動について発表しました。討論者として登壇した仏経団連アフリカ委員会のパトリス・フォンラドーザ会長は、アフリカの開発援助においては人口急増を前提として考える必要があり、例えば雇用創出に向けた職業訓練への官民双方の取り組みが有益であることや、アフリカの社会・経済発展には和平と安定が必要不可欠であることについてコメントしました。これに対して北野客員研究員は、人口急増に対応するためには人材育成、雇用創出、都市化への対応が最重要課題であると述べ、日本はカンボジア、ベトナム、フィリピン・ミンダナオ島などのアジアの事例から平和と安定が社会・経済成長の不可欠の前提となることを学んだ旨を回答しました。

その後、参加者との間で幅広い分野にわたる活発な質疑応答が交わされました。

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