ソーシャルキャピタルが青年海外協力隊の活動にどう影響するか?国際ボランティア会議2019で発表—大貫研究員

2019.11.11

2019年10月27~30日、ルワンダの首都キガリで国際ボランティア会議(International Volunteer Cooperation Organisations' Conference: IVCO)2019が開催され、JICA 研究所から大貫真友子研究員、山本彩織職員が参加しました。

IVCOは国際ボランティアネットワーク(Forum)が主催し、年に一度、世界中の国際ボランティア事業団体をはじめ、政府機関や民間セクターなどが一堂に会して知見や事例を共有する会議です。2019年は初のアフリカ地域での開催であり、「Advancing Quality in Volunteering for Development」をテーマに掲げ、48カ国から参加した約250人が、基調講演やセッションなどを通して議論しました。

JICA研究所の大貫真友子研究員がパネルディスカッションに参加

29日には、サブテーマ「Volunteering Models- Innovation and Good Practice」のもとでさまざまなセッションが行われ、そのうちのパネルディスカッション「The Power of Relationships: Volunteering as a people-based approach」に大貫研究員が登壇。オーストラリア政府のCheryl Johnson氏、英国ノーザンブリア大学のMatt Baillie Smith教授、France VolontairesのJean-Daniel Balme氏、米国イリノイ大学のBenjamin J. Lough教授と共に、ボランティアが活動地のコミュニティーとどのように関係性を築き、それがどう持続可能な開発に貢献しているかに光を当てて議論が行われました。

大貫研究員は、JICA研究所の研究プロジェクト「国際ボランティアが途上国にもたらす変化とグローバル市民社会の形成」の成果に触れ発表しました。本研究では、青年海外協力隊は活動を通じて現地に何をもたらすのか、また隊員が果たす役割はどのようなものか分析しています。大貫研究員は、JICA研究所の岡部恭宜客員研究員(東北大学教授)と共に青年海外協力隊の意識調査データを用いて、3つのソーシャルキャピタル(結束型、橋渡し型、連結型)を測定し、これらが隊員の活動にもたらした影響を明らかにしています。中でも重要なのは、現地のカウンターパートとのつながり(結束型ソーシャルキャピタル)であると指摘。JICA在外事務所の役割に言及した上で、上司・同僚など現地のカウンターパートと結びつき、関係を築くことが、ボランティア活動の達成に効果があることを紹介しました。

大貫研究員は青年海外協力隊の活動にはカウンターパートとの関係性が重要と発表

IVCOへの参加を通じて、各国の国際ボランティア事業関係者と持続可能な開発に向けたボランティアの役割を共有するとともに、日本の知見を発信する有益な機会となりました。

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