2020年タイ・マヒドン王子記念賞国際会議(PMAC2020)/UHCフォーラムでサイド・ミーティングを共催—牧本上席研究員

2020.03.09

2020年1月28日~2月1日に、第14回タイ・マヒドン王子記念賞国際会議(Prince Mahidol Award Conference: PMAC2020)/UHCフォーラム(JICA共催)がバンコクにて開催され、JICA研究所は1月29日にサイド・ミーティングを行いました。テーマは、「誰一人取り残さないユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を実現するには~プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)とイノベーションを通して難民・移民を含む脆弱な人々に届けるための課題と解決策」。政府関係者、開発パートナー、NGO、研究者、コンサルタントなど、約50人が出席しました。

UHC推進におけるPHCの役割と脆弱層のアクセス改善について議論

このサイド・ミーティングは、ジョンズ・ホプキンス大学ブルーンバーグ公衆衛生学部保健システムプログラム、国立国際医療研究センター(National Center for Global Health and Medicine: NCGM)グローバルヘルス政策研究センター (Institute for Global Health Policy Research: iGHP)、早稲田大学大学院アジア太平洋研究センター(Institute of Asia-Pacific Studies: WIAPS)との共催。JICA研究所とブルッキングス研究所との共同研究による書籍『Leave No One Behind: Time for Specifics on the Sustainable Development Goals』の第7章「脆弱な人々とUHC」を執筆した研究者が中心となって企画されました。

冒頭、執筆者の一人であるJICA研究所の牧本小枝上席研究員が、同書籍の紹介と関係者への謝辞を述べました。

続く第1部では、ジョンズ・ホプキンス大学のクリシュナ・ラオ准教授がモデレーターを務め、UHC推進におけるPHCの役割と脆弱層のアクセス改善について議論。ガーナ、スーダン、タイにおけるプライマリー・ヘルス・ケアの位置づけとUHC推進の取り組みが紹介され、市民社会組織からのコメントに続き、開発パートナーとして牧本上席研究員が医療保障制度への予防や健康増進サービスの組み込み、Leave No One Behindを意識したモニタリングの工夫などについて質問を投げかけ、参加者も交えて意見を交わしました。

JICA研究所の牧本小枝上席研究員(右端)と第2部の登壇者

第2部は早稲田大学の勝間靖教授をモデレーターに迎え、国連大学(United Nations University: UNU)からの移民・難民の概況報告に続き、移民・難民に関するデジタル個人健康記録のツール開発について、国連難民高等弁務官事務所(United Nations High Commissioner for Refugees: UNHCR)、国際移住機関(International Organization for Migration: IOM)、国連パレスチナ難民救済事業機関(United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East: UNRWA)がそれぞれの取り組みを紹介し、今後の共通ツール開発に向けた協働の可能性について議論を展開しました。UNRWAからは、JICAと協力して開発・導入した電子母子手帳がベースとなり、生活習慣病電子手帳の開発へと続いていることも報告されました。

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