山田研究員らが執筆したブログ「Protecting Forests: Are Early Warning Systems Effective?」がブルッキングス研究所ウェブサイトに掲載

2021.09.30

2021年7月2日、JICA緒方貞子平和開発研究所の山田英嗣研究員、JICA地球環境部の小此木宏明特別嘱託、JICAタイ事務所の森田隆博所長が執筆したブログ「Protecting forests: Are early warning systems effective?」がブルッキングス研究所のウェブサイトに掲載されました。

森林破壊を抑制する取り組みにおいて、人工衛星を活用した早期警戒システムは重要な役割を果たしています。代表的な早期警戒システムは、Landsatなど、地表からの日光の反射を捉える光学衛星による観測データを使ったものですが、雲が多い雨期には森林破壊の検知が難しいという特有の欠点があります。特に、アマゾン地域で発生する違法な伐採の多くは検知を逃れるために雨期に行われていると言われており、解決策が求められてきました。

JICAがJAXAと連携して提供しているJJ-FASTは、その解決策の一つとして、光学ではなく、日本のレーダー衛星「ALOS-2」の持つレーダー波探知の「目」を利用して森林破壊を検出し、データを全世界に無償公開しています。レーダー衛星であれば、分厚い雲を透過するレーダー波の反射を捉え、雲の有無に関係なく地表の変化を捕捉できます。

山田研究員らのブログでは、光学衛星による早期警戒システムに加え、JJ-FASTのデータを併用しているブラジルを例に、JJ-FAST活用が森林破壊の減少にどの程度貢献しているか、定量的な評価を試みています。分析結果によれば、光学衛星による検出面積を一定としたとき、JJ-FASTによってより多くの森林破壊が検出された地点の方が、その後の森林破壊が減少しているという関係が有意に示され、JJ-FASTが森林破壊を食い止めるのに有効である可能性があると主張しています。

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