2022年度国際開発学会賞選考委員会特別賞を受賞:書籍『Empowerment Through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration』

2022.12.13

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の研究プロジェクト「主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究: 中南米における事例を中心に」の成果を含む、書籍『Empowerment Through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration』(佐藤峰、佐柳信男、柳原透著)が、2022年度国際開発学会賞選考委員会特別賞を受賞しました。

本書は、国際協力(主に参加型開発、ジェンダーと開発)、ソーシャルワーク、公共サービスの提供という三つを主な事例に、主体性の定義、その醸成の阻害・促進の要因やメカニズムを理解することに焦点を当てています。公共サービスや国際協力といったさまざまな社会的なプロジェクトのより効果的な実施と持続可能性のために、支援を受ける側の「主体性(エージェンシー、人が自ら「内側から」動くための力)」が果たす重要な役割を認識することから出発し、国際協力などの公共政策に関わる外部支援者が、そうした能力の発露をどのように後方支援し、活性化できるのかという問いに対して、人類学、心理学、経済学のアプローチと視点を組み合わせて答えを導きだそうとしています。

今回の受賞について、JICA緒方研究所の研究員として当時先述のプロジェクトに携わり、著者の一人である佐藤准教授(横浜国立大学)は、「まだまだ途上にあるこの研究の将来性に対して頂いた賞だと思っています。今後も学際研究の一つの在り方を打ち出せるよう、共著者一同努める所存です」と述べています。

国際開発学会では、毎年『国際開発学会賞』を選出して表彰しています。当該年から2年半程度の間に出版された会員の著作および学術論文を対象とし、学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞が与えられます。12月3日、4日に開催された国際開発学会第33回全国大会で同賞の授賞式が行われました。

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