JICA緒方研究所

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アフリカの支援戦略に研究成果を生かす

2010年7月13日

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JICA研究所は7月8日、「生き残りから成長へーアフリカの産業集積、投資環境と零細企業(From Survival to Growth-Industrial Clusters, Investment Climate, and Micro Enterprises in Africa-)をテーマとした職員向けセミナーで、研究成果のフィードバックを行いました。

今回のセミナーは、JICA研究所と世界銀行、国際開発高等教育機構(FASID)、African Economic Research Consortium(AERC)が進める共同研究「African Enterprise Study」の成果を、JICA事業にフィードバックしてくことを目的に開催されたものです。今年5月にケニアのナイロビで開かれた「シニア・ポリシー・セミナー」での内容を基に、世界銀行アフリカ局エコノミストの吉野裕氏のほか、JICA研究所の武藤めぐみ研究員らが研究成果を報告しました。

冒頭、恒川惠市JICA研究所長は、「JICA研究所が設立されてから1年が経過し、具体的な研究成果が出てきている。今後も、こうしたフィードバックの機会を積極的につくっていきたい」と挨拶。続いて世界銀行の吉野氏が、アフリカの零細・小企業の現状に関する分析結果を報告。「同企業間では産業集積が進む一方、大企業とのパフォーマンスギャップや、規模拡大に必要な土地空間の不足などの問題解決には、経営者の能力向上や、制度・政策的な支援や産業地の整備など、"ソフト"と"ハード"の双方からの支援が重要」との見解が示されました。

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研究成果を発表したJICAの武藤研究員(写真奥左)と世銀の吉野氏(同右)。参加したJICA職員からは、研究成果をJICA事業にフィードバックしていくことに対し、期待する多くのコメントが寄せられた

また武藤研究員は、FASIDとともにアフリカのガーナ、ケニア、タンザニアの3カ国で行った、零細・小企業経営者に対するスキルトレーニングのインパクトを発表。「基礎的な会計や工程管理、マーケティングなどを学ぶことで、パフォーマンスが向上することが確認された」との成果が報告されました。 

こうした研究成果のフィードバックを受け、荒川博人JICA上級審議役は、「3スキーム(有償資金協力・無償資金協力・技術協力)のシナジー効果が求められている中で、今回の研究成果はそのエビデンスになるもの。これをオペレーションに生かさない手はない」とコメント。また、畝(たんぼ)伊智朗TICAD推進室長は、「JICAに求められているのは単にインフラを整備するということではなく、それが雇用や産業育成につながり、周辺ビジネスをもエンカレッジしていくこと。今回の研究成果はこうした期待に応えるものであり、JICAが支援するクロスボーダー・インフラやワンストップ・ボーダーポストなどとの相乗効果や、2013年に開催されるTICADⅤに向けた、貿易投資や経済成長を達成するためのポリシーメッセージの策定にも貢献し得る」と、期待の言葉を寄せています。

関連研究領域: 成長と貧困削減

関連研究プロジェクト: アフリカ産業集積の実証研究

 

日時2010年7月 8日(木)
場所JICA本部



開催情報

開催日時2010年7月 8日(木)
開催場所JICA本部

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