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JICA研究所、「ヨーロッパから見た日本のODA」に関する公開セミナーを開催

2012年11月13日

11月8日、JICA研究所はデンマーク・オーフス大学のAnnette Skovsted Hansen助教授を招き、「ヨーロッパから見た日本のODA(政府開発援助)」についての公開セミナーを開催しました。Hansen氏は、日欧上級研究ネットワーク(European Japan Advanced Research Network: EJARN)のメンバーであり、歴史学者でもあります。本セミナーは、欧州諸国から見た日本のODAの特徴を挙げながら、日本のODAがどのように変化してきたと考えているのかを共有する目的で実施されました。

 

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      Hansen氏

Hansen氏は、ヨーロッパ諸国のODAと比較した日本型ODAの強みとして、JICA研修員、文部(科学)省奨学金留学生、海外産業人材育成協会(HIDA)(旧・海外技術者研修協会:AOTS)研修生などの同窓会活動を通じた人的ネットワークを構築している点に着目した研究を続けてきました。
冒頭では、欧州から見た日本型ODAの特徴として、贈与(grant)よりも貸与/円借款(loan)を活用することにより、被援助国に対して日本の援助哲学である「自助努力」を促してきたことや、タイド援助(ひも付き援助)が多いと批判されてきたこと、二国間援助の比重が大きいことなどが紹介されました。

 

Hansen氏は、日本のODAの歴史について、戦後1954年に「コロンボ・プラン」参加、1956年に国連加盟、1962年にJICAの前身であるOTCA(海外技術協力事業団)の設立、1974年のJICA設立などに触れながら振り返り、アジア諸国中心であった日本の援助が、冷戦終結頃から、1993年のアフリカ開発会議(TICAD)をきっかけに、アフリカへの政策を強化し始めたことを指摘しました。その後、中国、韓国、インドなどのアジアのドナー国がアフリカへの経済援助を始めたために、以前からアフリカへの開発援助を行っていたヨーロッパ諸国との競争が激化し、日本とヨーロッパ諸国の援助を比較する議論も盛んになりました。最近では、特に中国による援助への関心が高まっています。

 

最後にHansen氏は、日本型ODAの特徴である研修員同窓生のネットワークについて、意図的に強化してきたことが日本の特徴だと指摘し、現在でもニュースレターや同窓生会合、フェイスブックを通して交流が続いており、昨年の東日本大震災の直後もこのグローバル・ネットワークからの激励のメッセージが届けられたことを紹介しました。こういったメッセージに対してJICAが「グローバル・パートナーと友人」という表現を用いて感謝の辞を示していることに言及し、この表現はヨーロッパのODAにはなく、研修を通じたネットワークの強化を重視する日本固有の考えであることを指摘しました。

 

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セミナー後半質疑応答の様子

日時2012年11月 8日(木)
場所JICA研究所、東京
関連ファイル

JAPANESE ODA SEEN FROM EUROPE




開催情報

開催日時2012年11月 8日(木)
開催場所JICA研究所、東京

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