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UNDPからキャパシティ・ディベロップメントの専門家を招き、JICA研究所にて公開セミナー開催

2012.11.05

10月30日、JICA研究所は、UNDP(国連開発計画)本部開発政策局知識・イノベーション・キャパシティ部長のNils Boesen氏を迎え、「知識、イノベーションとキャパシティ:変化する国際開発潮流におけるUNDPのキャパシティ・ディベロップメント(CD)への取り組み」の題目で公開セミナーを開催しました。

Boesen氏は、CDやガバナンスなどの開発分野で25年以上の経験を有し、現在も国際開発におけるCD概念の主流化やCD支援手法開発などの分野で中心的な役割を担っています。JICAでも技術協力を軸としたCD支援への取り組みを重視していることから、本セミナーではUNDPがCDをどのように捉え、開発支援に取り組んでいるのかを紹介し、意見交換する目的で実施されました。

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細野昭雄JICA研究所所長は開会の辞で、UNDPとJICAは、これまでにも一連のCD関連の国際フォーラムを共同で開催したことに触れて、「今回のセミナーが、UNDPとJICA研究所の今後の協力に向けて一層の刺激となることを期待している」と述べました。

その後登壇したBoesen氏は、まず会場の参加者を小グループに分けて、CDの概念や質問を共有するためのブレインストーミングを行い、出された疑問点や概念を念頭に置きながら、CDの基本的なモデルを説明しました。

また、同氏はCDの理念が絶えず変化している中で、学校教育と雇用の例を取り上げながら、「その政策過程を一つのセクターや省庁だけで遂行するのは不可能で、変化が頻繁で複雑な現代においては、横断的な戦略、つまり経済、環境、社会分野などを包含する多様な関係者やセクターとの連携による『コラボラティブ・キャパシティ』を構築すべきだ」と強調しました。さらにCDとは、公共や民間セクター、学会、市民社会などをネットワークが、共に問題解決に取り組むための概念であると指摘しました。 その上で、着目される側面の一つである「知識」について、知識の共有がCDにとって大切な要素だと述べ、援助機関関係者が問題解決をする過程から何を学んだかを発見することが重要であると述べる一方で、もう一つの側面である「イノベーション」については、何度も失敗することを通じてうまく解決できない理由を発見する問題解決探求の過程が大切であると説明しました。

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セミナー全体の様子

Boesen氏は、さらにCDのモニタリングや評価、人的資源の投入などのさまざまな側面についても会場の参加者と活発な議論を展開しました。

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モデレーターの本田俊一郎研究員(左)と、Boesen氏(右)

ムービー・コメンタリー

Nils Boesen
Director, Knowledge, Innovation and Capacity Group, Bureau for Development Policy, UNDP

開催情報

開催日時:2012年10月30日(火)
開催場所:JICA研究所、東京

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