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JICA-RI研究者が、国連大学・世界開発経済研究所の国際会議で発表

2013.07.05

過去30年間、低、中所得国の産業は、目覚ましい発展を遂げてきている一方で、アフリカでは「脱産業化(GDPに対する製造業の割合の低下)」が起こっています。アフリカでの産業発展の停滞は、多くの研究者や開発実施者の関心を集めており、今回のフィンランド、ヘルシンキでの国際会議で議題として取り上げられました。

6月24-25日、国連大学・世界開発経済研究所(UNU-WIDER)主催による国際会議が、「競争のための学習:アフリカにおける産業発展と政策—L2C: Learning to Compete:Industrial Development and Policy in Africa」のテーマで開催されました。本会合は、UNU-WIDER、ブルッキングス研究所、アフリカ開発銀行の共同プロジェクトによる研究成果に基づき、アフリカにおける産業発展と産業政策に関する討議を行うことを目的としてジョン・ペイジ氏、ダニ・ロドリック ハーバート大学教授、ジョン・サットン、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授など著名な学者が参加し、実施されました。

この会議では、主要テーマに基づく基調講演、パネルディスカッションや、個別テーマに関するパラレルセッションが開かれました。JICA研究所からは、細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザーと島田剛主任研究員が参加し、パラレルセッションでそれぞれが発表を行いました。

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細野アドバイザー

細野アドバイザーは、「Industrial Policy for Africa: Why and How?」のセッションで、「Industrial Strategy and Economic Transformation: Lessons from Outstanding Cases」のテーマで発表を行いました。細野氏は、アフリカ経済の転換と持続的な成長のためには、産業構造の高度化と多様化が必要であり、経済の転換には、Learningを通しての能力と知識の絶え間ない集積、インフラ、制度の構築が重要であることを、タイの自動車産業や、バングラデシュの縫製産業などの、国際的に注目されている5つの事例に基づき論じました。

島田主任研究員は、「The Economic Implications of Comprehensive Approach to Learning on Industrialization (Policy and Managerial Capability Learning): A Case of Ethiopia」のテーマによる論文を「Firm Capabilities: Does management matter?」のセッションで発表しました。島田氏は、Learningにおける市場の失敗を指摘しつつ、それを補完するために、政策、経営から技術までカバーする総合的なアプローチが重要であると論じました。

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島田主任研究員

開催情報

開催日時:2013年6月24日(月)~2013年6月25日(火)
開催場所:フィンランド、ヘルシンキ

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