JICA緒方研究所

ニュース&コラム

プロジェクト・ヒストリー・シリーズ第9弾出版記念セミナーを開催

2014年3月14日

中国におけるポリオとの闘いの様子や撲滅までの軌跡をまとめた『ぼくらの村からポリオが消えた 中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力』が2月に佐伯印刷より発刊されたことを記念して、3月10日に、JICA研究所と地球ひろばと合同で公開セミナーを開催しました。本セミナーには、書籍の中に登場する専門家、JICA関係者がパネリストとして参加し、現地での活動の様子や、世界ポリオ根絶に向けた最新動向を紹介しました。

 

加藤所長9633a.jpg
加藤所長
冒頭の加藤宏研究所所長の挨拶につづき、研究所の岡田参事役が書籍について紹介を行った後、基調講演として千葉靖男氏(元JICA中国ポリオ対策プロジェクト・チーフアドバイザー)が発表を行い、またパネリストとして吉倉廣氏(元JICA中国ポリオ対策プロジェクト国内支援委員、元国立感染症研究所長)と牧本小枝JICA人間開発部保健第三課長がそれぞれ報告しました。
 
岡田参事役9638.jpg
      岡田参事役
千葉氏は、10年間にわたる中国でのポリオ撲滅のための活動を振り返り、山東省の農村を出発点として、北方5省、南方5省、さらには国境地域に活動を広げていった経験を当時の写真を交えて紹介するとともに、ただ研究室に入ってくる情報を整理するだけではなく、中国の農村に深く入りサーベイランス(調査)を通じて実態を解明したことが中国ポリオ撲滅の協力を成功につながったとの見解を述べました。
続いて吉倉氏は、ポリオ対策には、実験室での検査と臨床診断を一体的に実施する必要性があること、接種率があてにならない中で成しうる限り一斉投与を行っていく必要性があったことや、千葉氏が伝えたサーベイランスの方法が今でも中国に根付いていることなどを、当時のエピソードを交え、「お客様」扱いではなく深い信頼関係を築いていくことの重要性について述べました。
牧本課長は、アジア地域の保健医療協力事業に広くかかわった経験を踏まえ、JICAのポリオ撲滅への協力の全体像と現在の支援の内容について紹介を行いました。
 
全体9639.jpg 
 
パネルディスカッション後の質疑応答では、具体的にどのように現地での協力関係を築いていったのかについての質問や、日本でもポリオによる麻痺が老齢化とともにさらに悪化するポリオの後遺症(ポストポリオ症候群)の問題や、生ワクチン接種による症例が最近も発生していることなどが取り上げられました。また中国人の参加者から、日本の専門家・ボランティアが中国で地道に貢献してきたことが、このようにまとまった物語の形で出版されたことは大きな意義があり、JICAはもっとこの仕事に力を入れ、専門家・ボランティアの貢献を次の世代に伝え、日中相互理解の役に立ててほしいとのコメントなど、パネリストと参加者の間で活発な意見交換が行われました。

 

*JICA-RI書籍紹介ページ『ぼくらの村からポリオが消えた 中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力』

 

日時2014年3月10日(月)
場所JICA市ヶ谷ビル



開催情報

開催日時2014年3月10日(月)
開催場所JICA市ヶ谷ビル

ページの先頭へ