JICA緒方研究所

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ポスト2015開発目標に向けて「環境と開発協力」に焦点を当てたセミナーを開催

2014年4月9日

国連ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)の目標年まであと一年と迫り、2015年以降の開発目標(ポスト2015)の形成に向けて、議論が進んでいます。JICA研究所は、英国国際開発庁(Department for International Development: DfID)から環境気候変動分野技術審議役であり、経済協力開発機構(OECD)開発援助委員会(DAC)の環境と開発協力ネットワーク(ENVIRONET)議長を務めるジョン・カーステンセン氏を招き、「環境と開発」に焦点を当てた公開セミナーを、外務省、駐日英国大使館、OECD東京センターの後援を得て開催しました。

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      ジョン・カーステンセン氏
3月26日に実施された本セミナーでは、駐日英国大使館のケン・オフラハティプロスペリティ局長、JICA企画部国際援助協調企画室の唐澤雅幸室長による開会の挨拶に続き、カーステンセン氏が、「環境、気候変動、開発」をテーマに、DfIDおよびOECD/DAC ENVIRONETの取り組みについて発表を行いました。同氏は、まずDfIDが掲げる6つの開発優先課題の一つとして、「気候と環境」を挙げ、1)貧困層の人々が気候変動に適応するための協力、2)貧困国が温室効果ガス排出を避け、多くの人々がクリーンなエネルギーの恩恵を享受しうるような開発への協力、3)森林資源とそれに依存する人々の生活を守ること、4)気候変動に対するグローバルな行動の促進、の4つの優先分野へのDfIDの取り組みを紹介しました。

また、英国が開発分野での世界のリーダーとして存在し続けるための戦略(Future Fit DfID)として、1)貧困、気候変動と持続可能な経済開発への理解と行動、2)開発途上国における、特に食糧、水、エネルギーと都市と関連した強靭性の構築支援、3)民間セクターとのパートナーシップの構築と英国が誇る先進的研究の活用により革新の機会の模索を行なっていることを紹介しました。

ポスト2015に向けた議論では、最貧国層の削減と持続可能な経済発展に注目し、グッドガバナンス、平和と安定、汚職の撲滅、女性と女子の役割の重要性を指摘しました。これらは貧困削減に不可欠な天然資源の管理に必要であることを強調し、「気候変動対策なしには地球の尊厳と絶対貧困削減の達成は不可能であり、気候変動問題がポスト2015に統合され、すべての目標が気候変動対策に有効であるべき」と述べました。

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須藤智徳主任研究員(右)、
カーステンセン氏(左)
さらに、自身が議長を務めるOECD/DAC ENVIRONETの役割として、グリーン開発資金や気候変動への適応、低炭素開発や生物多様性などポスト2015における環境的側面の実施、計測、モニタリングや評価、グリーン成長の役割への理解促進、気候変動に強靭な都市開発やグリーン成長、戦略的環境影響評価などの知見やベストプラクティスの共有などでのドナー、他機関との連携促進を挙げ、効果的な開発政策の質を高め、気候変動に対処できる都市部の開発、グリーン成長、気候変動への適応などに各ドナーが連携して取り組む必要性を述べました。

カーステンセン氏の発表後、カーステンセン氏とともにENVIRONETの執行部を務めるJICA研究所の須藤智徳主任研究員の司会による会場の参加者との質疑応答が行われ、日本在住の外国人留学生や外部の研究機関関係者などから、途上国の経済発展と天然資源との関連性、ODAの環境への取り組みなど、幅広い分野にわたる議論が展開されました。最後に、OECD東京センターの村上由美子所長よりご挨拶をいただき、閉会しました。

2014年は、日本のOECD加盟50周年、日本がODAを開始して60周年の節目に当たり、来年には2015年以降の開発目標や2020年以降の気候変動枠組が決定される予定です。こうした大きな節目となる年を控え、JICA研究所でも開発と環境・気候変動分野の研究と成果の発信を積極的に進めていく予定です。

ムービー・コメンタリー 

・ジョン・カーステンセン/DFID環境気候変動分野技術審議役/ENVIRONET議長

日時2014年3月26日(水)
場所JICA市ヶ谷ビル
関連ファイル

発表資料(PDF)

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