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スティグリッツ教授を中心としたコロンビア大学IPDと産業政策に関する共同研究タスクフォース会合を開催

2015.03.04

JICA研究所は2008年から、ノーベル経済学賞受賞者のコロンビア大学ジョセフ・スティグリッツ教授が率いる同大学政策対話イニシアティブ(Initiative for Policy Dialogue: IPD)との共同研究を実施しています。2014年からは「産業政策の新しいアプローチ」をテーマとした研究を行っており、その第2回目のタスクフォース会合が、2015年2月19日と20日の2日間、米国コロンビア大学にて開催されました。

今回のタスクフォース会合には、スティグリッツ教授をはじめ、コロンビア大学のAkbar Noman教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのRobert Wade教授、ブラジル国立経済社会開発銀行のJoao Carlos Ferraz氏ら経済学者含む約20名が出席し、最新の研究成果を発表しました。

JICA研究所の畝伊智朗所長とスティグリッツ教授は冒頭、JICAおよびコロンビア大学にとってこの共同研究は非常に重要であると述べました。またスティグリッツ教授は、産業政策および開発銀行の役割について再検討する必要があること、雇用の確保や環境問題の解決につながる産業政策の形成が求められていることを強調しました。参加した研究者からは、気候変動と産業政策との関係、インド開発銀行の取り組みなどの発表が行われました。

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細野SRA発表の様子

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島田主任研究員

JICA研究所から参加した細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザーは、”Industry: Towards a Learning Society for Inclusive and Sustainable Development”と題した発表を行いました。質の高い成長のためには常に学習を続ける社会(Learning Society)を作り上げる必要があること、これに貢献するアプローチとして、創造性、包摂性、強靭性、持続性の確保と促進に配慮する重要性を、JICAの技術協力の事例を用いて説明しました。島田剛主任研究員は、”Inside the Black Box of Japan's Institution for Industrial Policy- An Institutional Analysis of Development Bank, Private Sector and Labor”と題し、戦後の日本経済成長において、日本開発銀行(現:日本政策投資銀行)など、日本の産業政策の「制度」が果たした役割について発表をしました。参加者は、日本独自の経験を紹介する2つの発表に高い関心を示し、活発な質疑応答が行われました。

今回の議論を踏まえて、本共同研究の成果は今後、スティグリッツ教授を編者とした書籍として出版される予定です。

開催情報

開催日時:2015年2月19日(木)~2015年2月20日(金)
開催場所:米国コロンビア大学

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