JICA緒方研究所

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済州フォーラムで、北野副所長が開発協力における日中韓の対話の重要性を論じる

2015年6月18日

5月20日から22日まで開催された第10回「平和と繁栄のための済州フォーラム」に、JICA研究所の北野尚宏副所長が出席し、アジアの有力な政府開発援助(ODA)ドナーである日本、韓国、中国が、エビデンス(実証的な証拠)を踏まえて、開発協力における対話を深めていくことの重要性を論じました。

 

北野副所長
JICA研究所北野尚宏副所長(左から2番目)

「済州フォーラム」は、東アジアの平和と繁栄を促進するための多国間の対話の場として、毎年、韓国の済州島で開かれています。今回のフォーラムには、シュレーダー元ドイツ首相、ユドヨノ元インドネシア大統領、福田康夫元首相、ハワード元オーストラリア首相、クラーク元カナダ首相、李小林中国対外交友好協会会長など、世界各国から要人や専門家が参加しました。

 

フォーラムでは、3日間にわたり、幅広い分野で様々な議論が行われました。北野副所長は、韓国国際協力開発学会(KAIDEC)と韓国国際協力団(KOICA)が共催した「変革力のあるパートナーシップに向けて:2015年以降の開発枠組みにおける中国、日本、韓国のための新しいアジェンダ」というセッションで、パネリストを務めました。

 

「過渡期のアジア援助国:日本、韓国、中国」と題する発表の中で、北野副所長は、3カ国の国際協力へのアプローチについて概観しました。その中で、OECD開発援助委員会(DAC)の新加盟国である韓国が、多くの国際会議を主催することを通じて、ポスト2015開発アジェンダに積極的に取り組んでいることに言及しました。中国については、昨年JICA研究所が公表した対外援助額の推計を紹介しました。

 

北野副所長は日本のODAについて、人間の安全保障を指針とし、特に日本の経験に則した防災の推進や国民皆保険制度の普及など国際保健に力を入れていることを、具体的な事例を挙げながら紹介しました。さらに、ベトナム・ハノイの都市鉄道やカメルーンでの農業開発を例に、日本、韓国、中国がそれぞれ支援しているプロジェクトが、アジア、アフリカなどにおいて近接していることを指摘しました。その上で、アジア開発フォーラムなどのプラットフォームを活用した3カ国の対話が、今後ますます重要になることを強調しました。

 

今回のフォーラム出席を振り返り、北野副所長は、「KAIDECとKOICAが開催したセッションへの参加を通じて、JICA研究所と韓国の研究者との交流を推進することができた。今後も様々な機会を活かして、研究交流を深めていきたい」と話しています。

 

日時2015年5月20日(水) ~ 2015年5月22日(金)
場所韓国 済州島



開催情報

開催日時2015年5月20日(水)~2015年5月22日(金)
開催場所韓国 済州島

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