JICA緒方研究所

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ポスト2015年開発アジェンダ(ポストMDGs)に関する研究成果の紹介

2013年2月28日

 

ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年が近づき、現行MDGsの枠組みや達成状況についての評価の議論が盛んになり、また2015年以降の国際目標についても様々な取組みが始まっています。

JICA研究所では、「ポスト2015における開発戦略に関する実証研究」*を開始し、MDGsの達成状況についての実証研究を行った上で、ポスト2015に向けた開発戦略の方向性をさぐり、国際的な援助潮流の議論に貢献したいと考えています。

現在、研究プロジェクトでは提言をまとめる作業を進めているところですが、このページでは、提言で取り上げる予定の「インクルーシブな開発(包摂性)」と「レジリエンス(復元力)」という2つのテーマについて、これまでにJICA研究所がまとめた研究成果の一部をご紹介しています。


「人間の安全保障」実現の鍵になる「インクルーシブな開発(包摂性)」と「レジリエンス(復元力)」

2015年以降の開発課題を考える際に、全ての人々が恩恵を受けるインクルーシブな開発を目指すこと、自然災害や武力紛争といった外的ショックに対応し回復するレジリエンスを強化することは重要な視点です。MDGs達成状況には国際的にも国内的にも格差があり、新しい枠組みでは全ての人々が恩恵を受ける開発を目指すことが求められます。MDGs達成が最も遅れているのは紛争影響国・脆弱国であり、紛争のようなリスクに対応する能力がなければ開発の恩恵を維持することが出来ません。

一人一人の人間を中心に据え、全ての人が開発の機会を享受すること、災害や紛争といった様々な脅威、ダウンサイド・リスクに対応することは、「人間の安全保障」に他なりません。「人間の安全保障」は全体を貫く指導理念としての可能性を有していると言えます。


インクルーシブな開発(包摂性)

MDGsの達成状況をレビューすると、国毎の達成状況に大きな差があると同時に、各国の国内でも達成状況に差があることが分かります。2015年以降も重大な課題として、このようにMDGs達成から取り残された人々も含めて、社会・経済的な開発への参加の機会が公平に得られるインクルーシブな開発という視点が挙げられます。

これまでのJICA研究所の研究では、(1)開発が遅れがちな地方部にも公共サービスを提供するためのインフラ整備、(2)ジェンダー、民族等に配慮した公平なサービス提供、(3)貧困層に裨益する発展、(4)公共サービスの質・成果の確保、についての分析を発表しており、インクルーシブな開発を考える際の論点を提供しています。

  • インクルーシブな開発(包摂性)関連の研究成果

  • レジリエンス(復元力)

    MDGsの達成を阻害する要因として、紛争や災害等の外的ショックによる開発の停滞が考えられますが、MDGsの枠組みでは、こうした外的ショックへの対応力については考慮されていません。2015年以降もMDGsによる成果を持続的なものとして維持し、開発を阻害する外的ショックに対応することが、長期的な開発に資すると考えられます。外的ショックに対応し、回復する力をレジリエンス(復元力)として2015年の開発課題において主流化することが重要と考えられます。

    開発を阻害する外的ショックとしては、(1)経済危機、(2)気候変動、(3)自然災害、(4)武力紛争等があげられます。JICA研究所では、これらの課題について以下のような研究成果を発表しており、レジリエンスを考える際の重要な視点が提示されています。

  • レジリエンス(復元力)に関する研究成果
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    ※ 「ポスト2015における開発戦略に関する実証研究」
    ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年が近づき、現行MDGsの枠組みや達成状況についての評価の議論が盛んになり、また2015年以降の国際目標についても様々な取組みが始まっています。本研究では、MDGsを巡るさまざまな「通説」、およびMDGsに掲げられているもののほとんど議論されていない項目に関して情報を整理し、MDGsの達成状況についての実証研究を行い、そこから得られたエビデンスをもって、ポスト2015に向けた開発戦略の方向性をさぐり、国際的な援助潮流の議論に貢献します。特に重要な視点としては、インクルーシブな開発とレジリエンスの2つを中心的なテーマとして、現行MDGsではどのような視点が欠けているのかを示します。  本研究の狙い(Research Strategy)




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