JICA緒方研究所

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Emerging Markets Forum(新興市場フォーラム)年次会合にJICA加藤理事らが参加

2015年11月17日

新興市場が直面する課題を、ハイレベルのリーダーの間で議論するEmerging Markets Forum(EMF)の年次会合「Emerging Markets Forum 2015 Global Meeting」が2015年11月3~5日、東京で開催され、加藤宏JICA理事が「食糧生産と食糧安全保障」、田中明彦東京大学教授(JICA前理事長)が「都市化」のセッションで議論をリードしました。

 

加藤宏JICA理事
加藤宏JICA理事

米国・ワシントンDCに本拠を置くEMFは、2050年までの長期経済成長予測と、これに基づく具体的な政策、企業の取り組みを提示することを目的に、2005年から年次会合を開催しています。10周年に当たる今年の会合は、国際協力銀行(JBIC)の渡辺博史総裁がホストとなり、各国の政界、学界、産業界などの有識者、オピニオンリーダー約120人が参加しました。 EMFが作成した"Global Emerging Market Economies in 2050"を構成する9本のレポートを基に、2050年の世界経済情勢へ影響を与え得る10のメガトレンド(世界的な大きな流れ、注)について、議論が行われました。JICAは、この9本のレポートの作成にも協力しています。

 

加藤理事が議長を務めた「食糧生産と食糧安全保障」のセッションでは、作物の収量を増やすために必要な農産物の遺伝子操作技術や農家のマネジメント能力の向上などのほか、農業の問題は農業以外の分野にも影響を及ぼすという認識のもと、インフラ開発や自由貿易体制経済の構造転換に関するテーマについても議論がされました。

 

田中明彦東京大学教授
田中明彦東京大学教授

「都市化」のセッションは、田中教授が議長。持続的な成長を続けるための都市づくりへの対策として、セクターの縦割りや予算の中央集権化を改善するガバナンス改革、貧困層向け住居の提供を通じた格差への対応、環境や気候変動への対策などが話題に上りました。パネリストからはより住みやすい持続的な都市づくりの例として、マニラの人口過密問題への取り組みや、Public-Private-Partnership(PPP)のダイナミクスが紹介された一方、民間企業と行政が垣根を越えて行う大規模かつ長期事業の難しさが指摘されました。

 

加藤理事は最終日の閉会セッションにも登壇。本会合で繰り広げられた建設的で実用的な議論が各国の政策や実務に確実に反映されるためには、各国のリーダーや企業経営者に強く働きかける必要があると訴えました。

 

(注)10のメガトレンドは次の通り。 1. 人口動向、2. 都市化、3. 国際貿易、4. 金融のグローバル化、5. グローバル経済の変革、6. 中所得層の拡大、7. 天然資源、8. 技術革新、9. 気候変動、10. コミュニケーション技術革新

 

日時2015年11月 3日(火) ~ 2015年11月 5日(木)
場所東京



開催情報

開催日時2015年11月 3日(火)~2015年11月 5日(木)
開催場所東京

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