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EUのゲオルギエヴァ氏レジリエントな社会構築を強調

2012.10.15

10月11日、JICA研究所は駐日欧州連合代表部(EU)と共催で『レジリエント※な社会の構築に向けて』と題したセミナーを、JICA市ヶ谷において実施しました。

スピーカーは、EUの国際協力・人道援助・危機対応担当委員であるクリスタリナ・ゲオルギエヴァ氏。東日本大震災直後に来日し、東京で被災者救助作業について日本当局や援助提供者らと協議するとともに、被災者に送られる欧州からの援助物資の運搬などを差配されました。

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レジリエントな社会作りをテーマに発表

本セミナーでは、途上国支援において、東日本大震災後の経験を踏まえて、日本とEUがレジリエントな社会作りに貢献するためにどのような役割を担えるかというテーマで発表及び参加者との意見交換が行われました。

ゲオルギエヴァ氏は、防災や災害への備えを強化することを通じたレジリエントな社会作りについて、「これらへの投資は、モラルや財政の両観点から正当性がある。近年、世界の災害件数は増加傾向にあり、途上国での発生件数は8%程度。しかし、被害者数では全世界の半数を占める。災害リスク削減・管理への投資は、それに対する4~7倍のリターンをもたらすと考らえており、投資は促進されるべき」と述べ、災害や防災に対するJICAの豊富な経験に期待するとともに、災害に弱い国々を中心に、開発支援の一部に災害リスク軽減や管理を統合させることの重要性を強調しました。

意見交換では、参加者から、人道支援で重要な現地関係者との信頼関係構築のアプローチ指針や、アジア地域でのレジリエンス強化に対するEUの関与、アプローチの実施見通しなどについて質疑が出されました。それに対してゲオルギエヴァ氏は「EUが掲げる活動三原則『Impartial』『Neutral』『Independence』は有効なアプローチである。また、アジア地域は災害が多いながらも多くの国が成長を果たしていることから、アフリカ地域に比べてEUの関与の優先順位は下がる。アジア地域には支援対象というより、学びの場として期待している」と回答しました。

※レジリエンス……各種災害や緊急事態に対応できるような、自らの脆弱性を低減できるような能力。

ムービー・コメンタリー

Kristalina Georgieva
Commissioner, International Cooperation, Humanitarian Aid and Crisis Response, The European Union

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