JICA緒方研究所

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北野所長が第4回アジアシンクタンクサミットで持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けたイノベーションの役割について報告

2016年7月12日

持続可能な開発目標(SDGs)達成のためのシンクタンクの役割を議論する第4回アジアシンクタンクサミット(ATTS)が6月8~10日、韓国・ソウルの国立外交院で開催されました。JICA研究所の北野尚宏所長が出席し、SDGsの中でゴール9として掲げられているイノベーションに関するJICA研究所の最新の研究成果を報告しました。

発表する北野所長(右)

ATTSは、2013年に東京で第1回が開催されて以来、毎年開催されており、今回のテーマは、「アジアから考える持続可能な開発目標-政策の分析・実行のための触媒としてのシンクタンク」。主催の韓国外交安全保障研究所 (IFANS)、韓国開発研究院(KDI)、韓国対外経済政策研究院(KIEP)、アジア開発銀行研究所(ADBI)、シンクタンクと市民社会プログラム (TTCSP)のほか、27カ国から100人以上が参加し、アジアのSDGs達成に向けた課題とシンクタンクの役割について幅広い議論が交わされました。

議論する参加者たち

北野所長は、10日に行われたセッション「シンクタンクのイノベーションとSDGsの実施」で発表しました。発表の中で、特に、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)との共同研究である、「開発に貢献するイノベーション」の最新の成果について報告しました。最初に、社会システムレベルでのイノベーション(Transformative Innovation)の重要性について述べた後、イノベーション・エコシステムの事例として、世界600カ所以上に展開する、3Dプリンターやレーザーカッターなどを備えた市民向けのデジタル工房「ファブラボ」を取り上げ、青年海外協力隊員が設立に関わったフィリピン・ボホールのファブラボが、地域の起業家にイノベーションの場を提供していることを紹介しました。次に、SDGsのゴール11に掲げられている持続可能な都市に関し、スマートシティのコンセプトを紹介し、インドネシアの首都ジャカルタを事例に、スマートシティに向けた取り組み事例に触れました。

北野所長は、「アジアシンクタンクサミットは、アジアのシンクタンクとの交流の場であり、今回も多くのシンクタンクと意見を交わすことができた、今後とも積極的に参加していきたい。」と話しています。

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