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JICAとGRIPSが日・ASEAN友好協力40周年記念フォーラムを共催 

2013.12.02

11月21日、22日の2日間、JICAと政策研究大学院大学(GRIPS)が実施している東南アジア組織経営モデル研究の一環として、リーダーシップと組織経営に関する政策フォーラムがGRIPSキャンパスで開催されました。このイベントは、アジア地域の発展に伴って複雑化した政策課題に焦点を当て、ASEAN諸国と日本のリーダーが集い、政策課題解決のための効果的な方策を、リーダーシップ、組織経営、オープン・イノベーションの見地から議論を展開することを目的として実施されました。

21日は、GRIPSの白石隆学長による冒頭の挨拶から始まり、アジアにおけるリーダーシップと組織のマネジメントに関して、日本とインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムのASEAN4か国の代表者が政策イノベーションや組織のキャパシティなどを中心に各国の行政改革について発表し、議論を交わしました。

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田中理事長

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野中名誉教授

22日には「アジアを拓く政策イノベーション」~行政改革のパラダイム・シフト~と題し、日・ASEAN友好協力40周年記念した公開フォーラムを開催しました。

フォーラムの冒頭ではJICA田中明彦理事長が開会の挨拶を行いました。田中理事長は、スピーチの中で「日本とASEANは、域内の様々な課題に協力しながら取り組んできた歴史がある。現在、日本は高齢化、人口減少などの新しい課題に直面しており、一方ASEAN諸国は、自然災害や急速な経済成長に伴う経済格差など複雑な問題を抱えていることから、各国の政府が、こういった課題に対処できる革新的な政策を導入できる能力を強化することが必要である。本日のセミナーが、ASEANと日本が双方の知識や経験、さらに新たな考えを共有できる場となることを期待する」と述べました。

田中理事長に続き、人事院の吉田耕三人事官が来賓挨拶を述べた後、一橋大学野中郁次郎名誉教授が、「知識社会を実現する賢慮のリーダーシップ」と題する本フォーラムの基調講演を行い、リーダーに求められる要素や、実践知の重要性をさまざまな例を挙げながら示唆しました。その後、パネルディスカッションがセッション1と2に分かれて行われました。

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加藤所長(左)、堀江特別教授(右)

「組織と社会を変革するリーダーシップを鍛える」のテーマで行われた第1セッションでは、野中名誉教授との対談形式で、タイ国・メーファールアン財団事務総長のMom Rajawangse Disnadda Diskul氏が、タイ北部の農業プロジェクト例を用いて自立と環境に配慮した持続的開発について、また、ベトナム国・ホーチミン国家政治行政学院院長のTA Ngoc Tan教授が、自国の成功事例として国営携帯電話会社の例を挙げ、野中教授の考えに基づいた人材育成プログラムを紹介しました。このセッションで、「よいリーダー」とは、人の意見に耳を傾け、相手に考える機会を与えることのできる人、さらに実用的な知恵を持った人間との考えが示されました。

引き続き行われた「政策イノベーションを加速する」をテーマとした第2セッションでは、JICA研究所加藤宏所長(JICA理事)が議長を務め、フィリピン国・国家開発学院理事長のCayetano W. Paderanga氏、インドネシア国・行政改革担当副大臣のEko Prasojo氏、タイ国・プラジャディポック王学院事務総長のBorwornsak Uwanno教授の3名がそれぞれの政府機関が取り組んでいる政策を紹介しました。3名のパネリストが、各国での行政改革の取り組みの状況や、公共部門におけるシニアマネジメントのリーダーシップ研修などについて発表した後、GRIPSの堀江正弘特別教授・グローバルリーダー育成センター長が、各国の事情に即した政策・制度の改革の取り組みを評価しました。

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Cayetano W. Paderanga氏(左)、
Eko Prasojo氏(中央)、
Borwornsak Uwanno教授(右)

開催情報

開催日時:2013年11月21日(木)~2013年11月22日(金)
開催場所:政策研究大学院大学

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