JICA緒方研究所

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ポストMDGsをテーマに、JICAと広島大学による共催セミナーを開催

2013年12月5日

11月18日、広島大学において広島大学国際協力研究科・JICA共催の「国際開発学会広島支部セミナー:ポストMDGsを考える」が、関西圏の大学や一般からの参加も得て開催されました

 

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セミナーでは、広島大学・国際協力研究科研究科の藤原章正研究科長の挨拶に続き、JICA研究所の加藤宏所長(JICA理事)よりJICA研究所におけるポストMDGs研究の取り組み・狙いを紹介するとともに、MDGsが国際的な枠組みとして成長してきた歴史を日本のODA大綱との関連で振り返りつつ、援助の潮流を自ら作り出していくことの大切さについて述べました

 

JICA企画部の山田浩司参事役よりポストMDGsの国際的動向について、MDGs成立の背景にまでさかのぼり、その後の展開と現在の議論の論点、2015年以降の新たな開発目標の検討スケジュールについて紹介を行いました。特に新たな開発目標の検討では、インクルーシブ(Inclusive)とレジリエンス(Resilience)が大きな課題であると指摘しました

 

続いて、広島大学国際協力研究科の小塚英治特任准教授より「インクルーシブな開発とポストMDGs」というテーマで発表を行いました。まず、インクルーブな開発を「機会の平等を通じて全ての人々の福祉を向上させる開発」と定義し、世界銀行、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行の定義との相違点を説明しました。また、ポストMDGsのテーマとして、格差を拡大させないための教育とEarly Childhood Development(乳幼児の発達支援)や、機会を拡大するためのインフラ、雇用が重要な課題であり、特に教育分野では、初等教育の完全普及に加え、基本的な読み書き・算数能力の向上、障害を持った子どもの支援、前期中等教育のアクセスと質の改善がインクルーシブの観点から重要との指摘を行いました

 

JICA研究所の島田剛主任研究員は「レジリアンス、ソーシャル・キャピタル、ポストMDGs」というテーマで研究内容を紹介しました。特に人間の安全保障という観点で考えた際に、災害などの外的ショックが構造的な脆弱性をさらに悪化させる側面を指摘しつつ、インクルーシブとともにレジリエンスが人間の安全保障を達成する上で欠かせない要素であると述べました。レジリエンスについて、災害は親族が亡くなるなど絶対的な損失があり元に戻すことはありえず、社会機能の復旧のみならず、新しい社会を作りあげていく復興という側面が重要であると述べ、その上で絆(ソーシャル・キャピタル)がどのような役割を果たすのか制度や市場といった社会機能との関連で議論し、ソーシャル・キャピタルを中心に置くことが強靭な社会を築くことになると論じました。また、ポストMDGsにおいて世界は「格差なく、しなやかな強さを持ち、ひとびとの安全が保障されるような世界になるべきである」と述べました

 

続いて行われたパネルディスカッション(モデレーター:広島大学 馬場卓也教授)では、広島大学国際協力研究科の金子慎治教授、山根達郎准教授とともにJICAの加藤所長がポストMDGsに向けての大学の役割というテーマで議論を行いました。ディスカッション及び質疑応答では、新しい開発課題に対し日本の大学や研究機関はどのような研究を行い、どのような役割を果たすべきか、平和の促進のためにポストMDGsはどのような役割を果たすべきか、「インクルーシブネス」や「レジリエンス」といった新しいキーワードを用いることにより具体的に何が変わるのか、といった議論が行われました。

 

日時2013年11月18日(月)
場所広島大学



開催情報

開催日時2013年11月18日(月)
開催場所広島大学

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