JICA緒方研究所

ニュース&コラム

中国地方政府の行動様式を決定する要因に関する公開セミナーを実施

2013年12月19日

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       北野副所長の挨拶
中国は、1978年に中国共産党第11期中央委員会第三回全体会議(三中全会)にて、改革開放路線を打ち出して以来、長期高度成長を成し遂げてきました。その高度成長の背景には、中国の地方政府間による競争が存在しています。他方、地方政府間の熾烈な競争は、資源問題や都市化などの中国が現在直面している様々な課題の一因であると考えられます。

研究所では、中国国務院発展研究センターから、林家彬(Lin Jiabin)社会発展研究部長を招き、12月12日に中国地方政府の行動様式を規定している制度的要因について講演していただきました。

講演に先駆けて、JICA研究所北野尚宏副所長から開会の挨拶があり、この11月月開催された中国第18期三中全会は、日本においても非常に注目を集めているトピックであること、また、中国のガバナンスをどう進めていくかという問題は、途上国のみでなく、地方分権を進めていこうとする日本にとっても示唆に富む事例であり、開発援助実施機関の研究部門としてこのようなナレッジの共有は重要であることを述べました。

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       林氏の講演
開会挨拶に引き続き、林氏は「中国地方政府の行動様式の決定要因」に関する講演を行いました。林氏は、中国地方政府の行動様式の決定要因として、①幹部選抜メカニズムおよび業績評価体系、②財政税制制度、③土地制度、④計画制度、⑤中央地方関係の5点を指摘し、各要因が地方政府の行動様式にどのような影響を与えているか説明を行いました。林氏は、まず、これまでの幹部の業績評価指標が、GDP成長率、投資額や税収など経済指標に偏っていたことが、資本誘致競争の過熱や都市機能の過度な集中を招いた可能性があると述べ、地方政府の主な財源が企業関連税収と土地売却金に限られていることから、地方政府は企業誘致や土地の収用・売却に過度に力を入れざるを得ない現状を説明しました。さらに、現行の土地制度では、農地の転用は一度地方政府に収用される必要があることから、地方政府による土地の収用に拍車をかけている状況である旨述べました。その他、本来計画制度は地方政府の異動に伴う随意変更や権力の乱用を防ぐために存在するが、これまでの制度下では計画のモニタリング・チェックが働かず、むしろ権力乱用を正当化するツールとして使われていた可能性や、中央政府及び行政等級の高い都市に資源配分が集中し、大都市への過度な集積を引き起こしている旨、指摘しました。講演の後半では、これらの制度的要因の改善を図るため、第18期三中全会で決定された各種改革案について解説がなされました。

その後に行われた質疑応答では、会場から中国の一般の人々の期待や反応、実施・モニタリングの方法等について、幅広い質問やコメントがなされました。

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 会場の様子

ムービー・コメンタリー

林家彬
中国・国務院発展研究センター 社会発展研究部長

日時2013年12月12日(木)
場所JICA 市ヶ谷ビル

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