jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

研究員がドイツの日欧協力会合に出席

2011.09.29

室谷龍太郎リサ-チ・アソシエイト(RA)は9月12~13日、ドイツ・ベルリンで開かれたコンラッド・アデナウアー財団(KAS)と欧州日本高等研究ネットワーク(EJARN)の共同ワークショップ「安全保障と開発のネクサス:日欧協力への機会と展望(Nexus of Security and Development: Opportunities and Prospects for Europe-Japan Cooperation)」に出席しました。このワークショップは、欧州諸国と日本が安全保障と開発の分野で協力する具体策を議論しようと、欧州在住の研究者が企画したもので、今回が一回目です。このワークショップで室谷RAはセッション3「平和構築ODAにおけるEU・日本協力の可能性」に討論者として参加しました。

IMG_3512 のコピー 2.jpg

このセッションではまず、Marie Söderbergストックホルム経済大学教授が「日本は今でも資金力のあるドナーであり、また平和構築のために軍事的な手段ではなくODAを重視する。共通の価値観を持つ日欧の連携の可能性は高い」と期待を表明しました。これに対して室谷RAは「日欧には共通する部分がある一方で、援助モダリティの考え方、Whole-of-Government(全政府的アプローチ)への取り組みなど異なる部分もある。『人間の安全保障』の概念、キャパシティ・ディベロップメント(CD)、インフラ等、日本が重視する課題と欧州が重視する課題を整理すると共に、軍事と開発の連携、欧州委員会や英国、ドイツ、フランスなど欧州域内でのアクターごとの違いなども精査し、概念的な可能性だけでなく、現場での具体的な連携策を考えることが必要だ」と述べました。

参加者からは、日欧双方のNGOや企業を含めた連携の可能性が示唆された一方で、現場での連携のためには双方に利益がある必要があること、財政支援などの援助モダリティについての考えの違いがあること——などが指摘されました。また、中国との関係、民主化・人権などの課題への対応についても日本と欧州ドナーの連携を図ることができる、との意見が聞かれました。

この共同ワークショップは第2回を東京で、第3回をブリュッセルで開催する予定です。

開催情報

開催日時:2011年9月12日(月)~2011年9月13日(火)
開催場所:ドイツ、ベルリン

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
トピックス一覧

RECOMMENDこの記事と同じタグのコンテンツ