JICA緒方研究所

ニュース&コラム

国際開発学会春季大会(於JICA研究所)で研究員6人が発表

2011年6月14日

国際開発学会「第12回春季大会」が6月4日、東京・市谷のJICA研究所で開かれました。JICA研究所からは、古川光明上席研究員、上山美香研究員、片柳真理研究員、佐藤峰リサーチ・アソシエイト(RA)、室谷龍太郎RA、小林誉明RAの6人が研究成果を発表しました。


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古川光明上席研究員

古川上席研究員の発表タイトルは「一般財政支援と政府予算編成—フライペーパー効果の検証—」です。一般財政支援に紐が付いていないという性質に着目し、そのフライペーパー効果(政府間移転を受け取る際に、所得の増加と比較して外部からの移転が増加したときに支出の傾向が異なることを指し、外部の移転による場合、適切に資源配分が行われていないことを示唆している)を検証した研究です。



途上国政府には税収と一般財政支援という2つの収入源がありますが、研究の結果、一般財政支援の増加によって保健支出の割合が有意に上昇していることが分かりました。古川上席研究員は「一般財政支援では、途上国政府とドナーが協力しながら作成する貧困削減戦略書(PRSP)という政策対話のプロセスがある。これが功を奏している」と述べました。

 

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上山美香研究員

上山研究員は「MDGs(ミレニアム開発目標)達成とその先の貧困対策:MDGsの罠と目標(指標)の批判的検討」について発表。MDGsには8つの項目と60の指標がありますが、同じ項目の中の別々の指標間の相関関係に注目し、MDGs達成にとって指標の選択がどれだけクリティカルな問題であるかを提示しました。



目標4-A(乳幼児の死亡の削減)の場合、取り組みの成果である「乳幼児死亡率」と、その決定要因となる「予防接種率」がありますが、同研究員は「両者の相関関係は低い。予防接種を受けた子供の割合を上昇させることは比較的容易だが、それだけでは乳幼児死亡率の低下という結果をもたらすことは難しい現実を示唆している」と指摘しました。



また、片柳研究員は「下からの平和構築—スレブレニツァにおける住民自立支援及び信頼醸成プロジェクト」、佐藤峰RAは「開発援助における知の運用のありかたを問う—人類学と経営学の関連領域より—」、室谷RAは「脆弱国家における『キャパシティの罠』と『正統性の罠』」、小林RAは「開発における『時間』:政治経済学からの接近」のテーマでそれぞれ発表しました。

 

関連領域:平和と開発、援助戦略

 

日時2011年6月 4日(土)
場所JICA研究所
主催者国際開発学会



開催情報

開催日時2011年6月 4日(土)
開催場所JICA研究所

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