JICA緒方研究所

ニュース&コラム

JICA研究所研究員、ブルッキングス研究所との共同研究「中東・アフリカにおけるアラブの春後の包摂的成長」で中間報告

2013年10月17日

JICAは、2012年2月より米国ブルッキングス研究所と3年にわたる共同研究 「中東・北アフリカにおけるアラブの春後の包摂的成長」を継続しています。1年次の共同研究では、イエメンと教育に関する研究などが実施され、今年1月ワシントンでのセミナーでは、その成果を踏まえた論文発表と同時に2年次の共同研究についての協議も行われました。

 

P1000919.JPG
     インドネシアでの調査の様子
こういった背景から、9月2日から29日にかけて、ワシントンのブルッキングス研究所にて、JICA研究所の村田旭研究員が、今年の研究テーマに関する中間報告と、その他の研究に関する連携についてブルッキングス研究所関係者と継続的な議論を行いました。

 

村田研究員は、9月11日にブルッキングス研究所内で開催された中間報告セミナーにおいて、“Designing Youth Employment Policies in Egypt“と題する発表を行いました。この中で村田研究員は、最近の中東・北アフリカの民主化運動の要因としても注目されているYouth Bulgeと高等教育を受けた若者の高失業率に注目し、より包摂的な成長(inclusive growth)のために、高学歴の若年層をいかに国内の労働市場に取り込んでいき、将来の国内経済の成長へと繋げていくべきか、などの政策提言を行っています。エジプトの若年層は、より高い賃金、より安定した雇用確保を望み、民間企業よりも公共機関での仕事を選好する傾向が強いと言われていますが、今回の中間報告において村田研究員は、エジプトでJICA研究所が収集した調査データに基づき、官民間の給与格差がより狭まれば、教育サポート、IT、インフラの改善、医療保険の補助などの政策オプションによって、構造的に歪んだ高学歴の若年層の選好を改善していく余地があることを指摘しました。

 

本研究は、エジプト若年層の職業選好を導き出すため、仮想的な質問項目による調査法である離散選択実験(Discrete Choice Experiment)という手法を用いて、エジプトの6都市、10大学の工学部に所属する大学生への聞き取り調査を行っています。

 

中間報告の場に、ブルッキングス研究所の上席研究員であるHomi Kharas氏、Hafez Ghanem氏、John Page氏をはじめ、世界銀行エコノミストのMarc Schiffbauer氏、IMFのRuben Lamdany氏などが参加し、彼らからMENA(中東・北アフリカ)諸国における喫緊の課題に対する政策提言として重要な研究であるとのコメントがありました。今後は、中間報告でのコメントを踏まえて、アジア諸国の中でエジプト同様にユースバルジに直面し、同じくイスラム教が主流であるインドネシアとの比較分析を行い、最終的な成果は、来年1月下旬頃に発表される予定です。

また、村田研究員は協議を通じて、ブルッキングスや他機関の研究者・職員とのネットワークの構築も行い、エジプト関連、移民・海外送金関連、フィリピン関連、農村開発関連、日米外交関係など幅広い分野の担当者と情報交換を行いました。

 

その他、ブルッキングス研究所のHomi Kharas氏、Hafez Ghanem氏と、JICA中東・欧州部の肥沼光彦部長、木村みさき氏などを交えた会議では、共同研究2年次の今後の予定として、調査研究の成果を外部有識者や現地の政策決定者に共有・発表するための各種セミナーを開催する計画や、3年次テーマ、さらに3年間の共同研究の集大成となる書籍の出版についての協議も行いました。

 

日時2013年9月 2日(月) ~ 2013年9月29日(日)
場所米国、ワシントン



開催情報

開催日時2013年9月 2日(月)~2013年9月29日(日)
開催場所米国、ワシントン

ページの先頭へ